ランディ・ジョンソンを最後に300勝達成者なし
ドジャースのクレイトン・カーショーが現地時間18日のメッツ戦に登板。7回を無失点に抑えて今季3勝目を挙げ、現役では4人目となる通算200勝に到達した。
2008年のデビューから16年目、35歳1カ月での達成は、20代の前半に迎えた全盛期の活躍を思えば、やや遅かったと言えるかもしれない。そんなカーショーにとって次の目標は300勝と言いたいところだが、今季から毎年15勝ずつ挙げても達成するのは41歳となる2029年シーズン。肩肘だけでなく、腰にも不安を抱えるだけに、大台到達は困難と言わざるを得ないだろう。
投手なら300勝が殿堂入りの条件と言われてきたが、最後の到達者は2009年に当時45歳で達成したランディ・ジョンソン。それ以降、打者では6人が3000安打を達成しているが、300勝投手は13年以上も誕生しておらず、絶滅危惧種と呼ばれて久しい。
現役ではアストロズのジャスティン・バーランダーが244勝を挙げているが、すでに40歳。今季から年間15勝ずつ挙げても、300勝到達は4年後の44歳シーズンとなる。
球数が重要視され、6回を投げ切れば合格点といわれる現代野球で勝利を積み重ねるのは簡単ではない。今後は200勝到達すら難しい事態に陥る可能性もあるだろう。
実際、現役投手で200勝が迫っているのは、195勝のアダム・ウェインライト(カージナルス)くらい。ウェインライトは開幕を負傷者リストで迎えたが、マイナーでのリハビリ登板を終え、まもなくメジャーに復帰を予定している。今季限りでの現役引退を表明しているだけに、一日も早く大台に到達しておきたいところだろう。
ただ、ウェインライトの次の達成者となると、すぐには現れなさそうだ。
▼ 通算130勝以上挙げている現役投手
244勝 ジャスティン・バーランダー
(メッツ・40歳)
223勝 ザック・グレインキー
(ロイヤルズ・39歳)
203勝 マックス・シャーザー
(メッツ・38歳)
200勝 クレイトン・カーショー
(ドジャース・35歳)
195勝 アダム・ウェインライト
(カージナルス・41歳)
163勝 コール・ハメルズ
(パドレス・39歳)
157勝 デービッド・プライス
(FA・37歳)
143勝 ジョニー・クエト
(マーリンズ・37歳)
134勝 マディソン・バムガーナー
(ダイヤモンドバックス・33歳)
134勝 ゲリット・コール
(ヤンキース・32歳)
ウェインライトの200勝到達は時間の問題として、今季まだマイナーでも登板がないコール・ハメルズ(パドレス傘下)や、現役引退説こそ否定したものの第一線から離れているデービッド・プライス(FA)はかなり難しい状況。最も可能性が高いのは今季ヤンキースで開幕から4連勝中のゲリット・コールだろう。
年齢もまだ32歳と若く、ヤンキースに移籍した20年以降に負傷者リスト入りしたのは1度だけと体調に大きな不安を抱えているわけでもない。もし今季から15勝を続ければ、4年後の27年途中に200勝に到達する計算だ。
まずは2~3カ月以内には達成するであろうウェインライトの200勝を見届けた上で、次の達成者が誰になるのか、首を長くして待ちたい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)