コラム 2023.04.29. 07:08

高校時代は西純矢の控え投手…亜細亜大・草加勝がドラフト戦線に急浮上!

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無名だった高校時代を経て大学で飛躍


 ゴールデンウィークが近づき、2023年も1年の1/3を消化しようとしている。気が付けばドラフト会議まで半年を切ったが、今年は現時点でも“大豊作イヤー”として多くのドラフト候補たちが各地でアピールを見せている。
 
 なかでも、大学生の投手には有力候補が多い。特に東洋大の細野晴希(東亜学園)や青山学院大の常広羽也斗(大分舞鶴)、中央大の西舘勇陽(花巻東)といった東都大学野球に所属する3人は高い評価を受けている。

 しかし、ここは“戦国東都”。同リーグには一部・二部を問わず、実力のある投手が多くいる。今回は東都大学野球で評価を高めている注目選手について、4回に分けて紹介していきたい。今回取り上げるのは、昨秋にブレイクした亜細亜大の草加勝(創志学園)だ。


▼ 草加勝(亜細亜大)
・投手 
・182センチ/75キロ 
・右投左打 
・創志学園

<主な球種と球速帯>
・ストレート:142~152キロ
・カーブ:110~114キロ
・スライダー:125~130キロ
・ツーシーム:123~128キロ
・チェンジアップ:108~115キロ

<クイックモーションでの投球タイム>
1.20秒


高校2年・3年は夏の県大会で登板せず


 筆者が草加のピッチングを初めて見たのは、高校2年春の岡山県大会・対岡山学芸館戦。この時は2回を投げて2失点で降板したものの、ストレートは最速137キロをマークしており、高い将来性を感じたのをよく覚えている。

 しかし、2年時も3年時も夏は岡山大会ですら登板していない(2年夏は背番号11で甲子園に出場)。理由は、同じ学年の西純矢(現・阪神)が絶対的なエースとして君臨していたからだ。

 県内ではそれなりに名前は知られていたようだが、全国的には全く無名の存在だったと言えるだろう。


 亜細亜大に進学後も層の厚い投手陣の中でなかなかチャンスをつかむことができず、3年春まではリーグ戦で1試合、1イニングのみの登板に終わっている。そんな草加が一躍注目を集めることになったのは昨年秋のことだった。

 リリーフで結果を残すと、リーグ戦初先発となった中央大との一戦では3安打完封。その後も快投を続け、リーグトップとなる防御率0.29をマークし、敢闘賞のタイトルを受賞したのだ。このシーズン、亜細亜大は4位に終わっており、もし草加の活躍がなければ、最下位転落の可能性も高かっただろう。


 最終学年となった今年の春は、エースとして第1戦を任されているが、ここまでは昨年秋を上回るピッチングを見せている。特に圧巻だったのが4月19日に行われた国学院大戦だ。

 試合は亜細亜大が初回に1点を先制しながら、なかなか追加点が奪えない重苦しい展開となったものの、最後まで国学院大打線に連打を許すことなく、被安打5、四死球0で見事完封勝利をマークして見せた。

 5回には自己最速を更新する152キロ、最終回にも151キロを複数回記録するなど、最後まで球威が衰えることはなかった。


コントロールと投球術が素晴らしい


 ただ、草加のピッチングを説明する時に「最速152キロ」という数字は大きな意味を持たない。それ以上に素晴らしいのが、コントロールと投球術である。

 フォームは高校時代よりも少し動きがギクシャクした印象を受けるが、それが悪い印象には繋がらず、打者からするとタイミングが取りづらくなったように見えるのだ。


 そして、特に目立つのが、ボールだけでなくフォームでも“緩急”がつけられる点である。

 走者がいなくてもクイックで投げることもあれば、逆にゆっくりと左足を上げてステップすることもある。こういったフォームのバリエーションが小賢しく見えないのは、ボール自体にも力があるからに他ならない。安易に技巧に走ることなく、ボールのスケールアップにも取り組んできた成果と言えるだろう。

 大学生にしてはまだ体つきが細く見えるが、体力面での充実ぶりも目立つ。このままの投球が続けば、秋には先輩である青山美夏人(2022年・西武ドラフト4位)を上回る評価を得る可能性もありそうだ。


文=西尾典文(にしお・のりふみ)
☆記事提供:プロアマ野球研究所
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