今季2度目の一軍登録でプロ初安打
プロとしての第一歩を踏み出した。
ヤクルトのドラフト3位ルーキー・澤井廉が、18日の中日戦(神宮)に「6番・左翼」でプロ初のスタメン出場を果たすと、2回の第1打席でプロ初安打となる三塁打を記録した。
中日先発・仲地礼亜のスライダーを右手ですくい上げて右翼線へ。右翼手の川越誠司が打球を見失う形ではあったが、持ち前のパワーを見せつけた。
今季2度目の一軍登録に「(一軍の)雰囲気というのも、前に来たときは慣れていないゆえに圧を感じちゃったんですけど、少しずつ慣れてきた。自分のやれることをやろうという心の持ち方で入りました」という澤井。
初めて一軍の舞台を経験したのは5月11日の阪神戦。甲子園球場でプロ初打席を迎えたが、結果は一ゴロに終わった。その時のように一軍の雰囲気にのまれることはなく、プロ初安打も生まれたが、澤井は決して満足していなかった。
「自分のスイングというところで、力むことなく、どんどん積極的にというところで仕掛けていけたのはいいんですけど、結果はついてこなかった」と言葉に悔しさをにじませる。
中日との3連戦は全試合にスタメン出場。19日の試合では中京大中京高の2学年後輩にあたる髙橋宏斗と対戦した。安打を放つことはできず、試合後「やっぱり本当に一流の球だなとすごい感じました」と脱帽した。
打席では初球から積極的に仕掛けたが「1球で仕留めるのが自分の長所でもあるので、そこを結果として出せなかったというのが悔しいです」と振り返った。
「自分のできることをやるしかない」
カードが変わり、22日の巨人戦(東京ドーム)でも「7番・左翼」でスタメン出場したが、4打数無安打に終わった。
それでも、持ち味を全面に出す姿勢は変わらない。澤井はこう話している。
「自分のできることをやるしかないと思っているので、背伸びをした結果、足をすくわれたりする。自分のできるスイングだったりとか、積極性だったりとかいうのは消さないように、それを存分に発揮できるように準備しています」
ファームではリーグトップの17本塁打をマーク。一発長打が魅力の23歳は、「(打撃)フォームもだいぶ安定してきて、体の使い方も扱えるようになってきたので、だいぶ再現性というのが高まってきた」と、二軍で培ってきたものを必ずや一軍の舞台で発揮してみせる。
結果が求められるプロの世界で満足のいく数字を残すため、スラッガーとしての魅力を一軍で開花させる。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)