今季のメジャーリーグ展望と順位予想を地区ごとに行ってきた本企画も今回が最後。両リーグを通じて屈指の激戦区といえるア・リーグの東地区をプレビューする。
【2023・AL東地区順位表】
1位 オリオールズ(101勝61敗)
2位 レイズ(99勝63敗)
3位 ブルージェイズ(89勝73敗)
4位 ヤンキース(82勝80敗)
5位 レッドソックス(78勝84敗)
▼ 予想1位:ボルティモア・オリオールズ
昨季は投打がかみ合い、レイズとの激戦を制して9年ぶりの地区優勝を飾った。ただし、ポストシーズンではレンジャーズ相手になすすべなく3連敗を喫した。その悔しさをバネに今季は更なる高みを目指す。
レギュラー野手陣は昨季とほぼ同じメンバー。そのほとんどが20代後半とまさに充実期を迎える。2年目でオールスターにも選出されたアドリー・ラッチマンはMVPも狙える逸材。昨季の新人王ガナー・ヘンダーソンが2年目のジンクスを打破できれば今季も100勝は圏内か。
昨季のチーム防御率はリーグ5位とまずまず。今季はブルワーズからコービン・バーンズを獲得したことで、上積みも見込めそう。不安が残るのは守護神のクレイグ・キンブレル。不安定さ相変わらずで、今季全休が決まっているフェリックス・バティスタの代役として不安しかない。
▼ 予想2位:トロント・ブルージェイズ
オフに大谷翔平の獲得に動いたが叶わず。昨季89勝をマークした戦力は現状維持といったところか。若手の有望株がFAになる前に2015年以来の地区Vを飾っておきたいところだが、オリオールズを筆頭にライバルが強力すぎるためそう簡単な話ではない。
2世選手のブラディミール・ゲレーロJr.とボー・ビシェットの2人を中心に打線は中の上といったところ。レッドソックスから獲得したジャスティン・ターナーが持ち前の勝負強さを発揮すれば、得点力はかなり上向くだろう。
昨季は菊池雄星を含めた4人が2桁勝利かつ防御率3点台をマークした。先発5番目の枠を狙うのは昨季リリーフで防御率1.73をマークしたボーデン・フランシス。この投手も10勝を狙える実力の持ち主だけに大化けするようならオリオールズと優勝争いを演じてもおかしくない。
▼ 予想3位:ニューヨーク・ヤンキース
昨季は31年連続のシーズン勝ち越しに成功したものの、3地区制になった1994年以降では初となる地区4位に低迷。オリオールズに19ゲーム差をつけられる屈辱を味わった。今季は開幕ダッシュに失敗すれば、アーロン・ブーン監督の早期解任もあり得る雰囲気が漂う。
昨季パドレスで35本塁打を放ったフアン・ソト、さらに宿敵レッドソックスからアレックス・バーデューゴを獲得。アーロン・ジャッジと形成する外野手トリオはメジャー屈指といえるだろう。カギはジャンカルロ・スタントンの状態。昨季1割台に低迷した打率を何とか.250前後に引き上げたい。
2桁勝利を計算できるマーカス・ストローマンがカブスから移籍してきた。毎年のようにサイヤング賞候補に名を連ねるゲリット・コールとのワンツーパンチはライバルにとっても脅威だろう。また昨季の防御率がリーグ1位だった救援陣には今季も大きな穴が見当たらない。
▼ 予想4位:タンパベイ・レイズ
チームの年俸総額は常に下位に位置しているものの、毎年のように前評判を覆して上位争いを演じている。昨季は地区優勝こそ逃したが、直近4年間で3度目の勝率6割超えを達成。ただし、今季はさすがに他チームのマークも強くなるはずで勝率5割前後に落ち着くのではないか。
昨年のWBCでも注目されたランディ・アロザレーナとヤンディ・ディアスのキューバン2人が打線を引っ張る。全体的に若手も多く、昨季リーグ2位だった得点力は大きく落ちることはないだろう。
昨季10勝を挙げたタイラー・グラスノーを放出したのは大きな痛手。ただし、16勝で最多勝に輝いたザック・エフリンは健在だ。救援陣にはやや不安が残るが、マイナーから生きのいい若手が台頭してくれば、投手王国を築ける。
▼ 予想5位:ボストン・レッドソックス
2004年以降に4度も世界一に輝いている強豪だが、昨季は78勝84敗で、2年連続地区最下位に沈んだ。ただ急失速した9月中旬までは勝率5割を維持しており、投手陣の立て直しに成功すれば、勝ち越しも十分狙えそうだ。
吉田正尚が一時は首位打者争いに加わる活躍を見せていたが、夏場以降にスランプに陥りそのままシーズンを終えた。今季は主に指名打者として起用される見込みだが、打率3割、20本塁打は最低限クリアしないと本人もチームの浮上も厳しいだろう。
昨季チームで唯一2桁勝利を挙げたブライアン・ベロだが、防御率は4.24、規定投球回数にも満たず、エースとしては物足りない。昨季8勝した新加入のルーカス・ジオリトは右肘の故障で離脱。開幕直前に金銭トレードで上沢直之を獲得するも台所事情は地区で最も厳しいと言わざるを得ない。
【2023・AL東地区順位表】
1位 オリオールズ(101勝61敗)
4位 ヤンキース(82勝80敗)
5位 レッドソックス(78勝84敗)
▼ 予想1位:ボルティモア・オリオールズ
昨季は投打がかみ合い、レイズとの激戦を制して9年ぶりの地区優勝を飾った。ただし、ポストシーズンではレンジャーズ相手になすすべなく3連敗を喫した。その悔しさをバネに今季は更なる高みを目指す。
レギュラー野手陣は昨季とほぼ同じメンバー。そのほとんどが20代後半とまさに充実期を迎える。2年目でオールスターにも選出されたアドリー・ラッチマンはMVPも狙える逸材。昨季の新人王ガナー・ヘンダーソンが2年目のジンクスを打破できれば今季も100勝は圏内か。
昨季のチーム防御率はリーグ5位とまずまず。今季はブルワーズからコービン・バーンズを獲得したことで、上積みも見込めそう。不安が残るのは守護神のクレイグ・キンブレル。不安定さ相変わらずで、今季全休が決まっているフェリックス・バティスタの代役として不安しかない。
▼ 予想2位:トロント・ブルージェイズ
オフに大谷翔平の獲得に動いたが叶わず。昨季89勝をマークした戦力は現状維持といったところか。若手の有望株がFAになる前に2015年以来の地区Vを飾っておきたいところだが、オリオールズを筆頭にライバルが強力すぎるためそう簡単な話ではない。
2世選手のブラディミール・ゲレーロJr.とボー・ビシェットの2人を中心に打線は中の上といったところ。レッドソックスから獲得したジャスティン・ターナーが持ち前の勝負強さを発揮すれば、得点力はかなり上向くだろう。
昨季は菊池雄星を含めた4人が2桁勝利かつ防御率3点台をマークした。先発5番目の枠を狙うのは昨季リリーフで防御率1.73をマークしたボーデン・フランシス。この投手も10勝を狙える実力の持ち主だけに大化けするようならオリオールズと優勝争いを演じてもおかしくない。
▼ 予想3位:ニューヨーク・ヤンキース
昨季は31年連続のシーズン勝ち越しに成功したものの、3地区制になった1994年以降では初となる地区4位に低迷。オリオールズに19ゲーム差をつけられる屈辱を味わった。今季は開幕ダッシュに失敗すれば、アーロン・ブーン監督の早期解任もあり得る雰囲気が漂う。
昨季パドレスで35本塁打を放ったフアン・ソト、さらに宿敵レッドソックスからアレックス・バーデューゴを獲得。アーロン・ジャッジと形成する外野手トリオはメジャー屈指といえるだろう。カギはジャンカルロ・スタントンの状態。昨季1割台に低迷した打率を何とか.250前後に引き上げたい。
2桁勝利を計算できるマーカス・ストローマンがカブスから移籍してきた。毎年のようにサイヤング賞候補に名を連ねるゲリット・コールとのワンツーパンチはライバルにとっても脅威だろう。また昨季の防御率がリーグ1位だった救援陣には今季も大きな穴が見当たらない。
▼ 予想4位:タンパベイ・レイズ
チームの年俸総額は常に下位に位置しているものの、毎年のように前評判を覆して上位争いを演じている。昨季は地区優勝こそ逃したが、直近4年間で3度目の勝率6割超えを達成。ただし、今季はさすがに他チームのマークも強くなるはずで勝率5割前後に落ち着くのではないか。
昨年のWBCでも注目されたランディ・アロザレーナとヤンディ・ディアスのキューバン2人が打線を引っ張る。全体的に若手も多く、昨季リーグ2位だった得点力は大きく落ちることはないだろう。
昨季10勝を挙げたタイラー・グラスノーを放出したのは大きな痛手。ただし、16勝で最多勝に輝いたザック・エフリンは健在だ。救援陣にはやや不安が残るが、マイナーから生きのいい若手が台頭してくれば、投手王国を築ける。
▼ 予想5位:ボストン・レッドソックス
2004年以降に4度も世界一に輝いている強豪だが、昨季は78勝84敗で、2年連続地区最下位に沈んだ。ただ急失速した9月中旬までは勝率5割を維持しており、投手陣の立て直しに成功すれば、勝ち越しも十分狙えそうだ。
吉田正尚が一時は首位打者争いに加わる活躍を見せていたが、夏場以降にスランプに陥りそのままシーズンを終えた。今季は主に指名打者として起用される見込みだが、打率3割、20本塁打は最低限クリアしないと本人もチームの浮上も厳しいだろう。
昨季チームで唯一2桁勝利を挙げたブライアン・ベロだが、防御率は4.24、規定投球回数にも満たず、エースとしては物足りない。昨季8勝した新加入のルーカス・ジオリトは右肘の故障で離脱。開幕直前に金銭トレードで上沢直之を獲得するも台所事情は地区で最も厳しいと言わざるを得ない。