8日からヤンキー・スタジアムで3連戦
ナ・リーグ西地区首位を走るドジャースは現地6日(日本時間7日)、パイレーツとの3連戦最終戦を11-7で制し、連敗を2でストップ。7日から始まるヤンキースとの3連戦に弾みをつけた。
前日に5試合ぶりとなる今季15号を放った大谷翔平は、この日も2番指名打者で先発。初回の1打席目に右前安打を放ったものの、2打席目以降は相手投手にぴしゃりと抑え込まれ、この日は6打数1安打に終わった。
それでもパイレーツとの3連戦を15打数4安打(打率.267)で終え、一時期に比べると、調子はやや上向きの状態といえるだろう。ただし、休養日を挟まずに迎えるヤンキースとの3連戦ではそう簡単にバットから快音は聞かれないかもしれない。
というのも、3連戦が行われる敵地ヤンキー・スタジアムは大谷にとって鬼門と呼べる場所だからだ。昨季までエンゼルスでプレーしていたため、同地を訪れる機会は少なくなったが、打者として通算13試合に出場、打率.130(46打数6安打)という成績が残っている。
6本の安打のうち4本が本塁打とはいえ、大谷にとってヤンキース・スタジアムでは悪い残像が残っている可能性が高い。同球場での打率.130は、大谷がメジャーで打席に立ったことがある33球場の中でワースト。全米でも屈指の熱狂的なヤンキースファンの前で、大谷はことごとく凡打の山を築いてきた。
また、トミージョン手術の影響で今季の登板はないものの、投手としても同地で2試合に登板しているが、0勝1敗、防御率27.00という成績。2021年の初登板は、初回に2つのアウトを取っただけで7失点、22年の2度目の登板でも3回を投げて4失点と、いずれも早々にノックアウトされている。
ヤンキースと言えば、大谷が日本ハムからメジャーに移籍した2017年オフと、エンゼルスからFAとなった昨季オフに有力な移籍候補にも名前が挙がっていた球団。大スターを2度も取り損ねているだけに、チームとしても“打倒大谷”にかける意気込みは相当高いのかもしれない。
2009年のワールドシリーズ優勝を最後に世界一から遠ざかっているヤンキース。昨季は屈辱の地区4位に終わったが、今季は開幕から絶好調で、ここまで得点数と失点数がともにメジャー1位と付け入る隙がない無双状態だ。
先月29日のエンゼルス戦からは目下8連勝中で、今季の勝率もメジャー最高の.703(45勝19敗)に伸ばしている。考え方によっては、完全復調を狙う大谷にとってこれ以上ない相手ともいえるだろう。“鬼門”ヤンキー・スタジアムで大谷のバットは火を噴くか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)