13試合目の登板で野茂氏と並ぶことができるか
現地14日(日本時間15日)、この日唯一デーゲームで行われたカブスとカージナルスの一戦は、カージナルスが3-0で勝利。完封負けを喫したカブスは、前日のレイズ戦から2連敗となり、借金の数は今季ワーストの4に膨らんだ。
4年ぶりの地区優勝を狙うカブスにとって手痛い敗戦となったが、翌15日のカージナル戦にはルーキー今永昇太が先発マウンドに登る予定。今季先発した12試合で、チームは10勝2敗と大きく勝ち越しており、今回の登板でも連敗ストッパーとしての役割が期待される。
開幕から12試合の先発登板を終えた今永の今季ここまでの投球回数は69。14日にチームはシーズン70試合目を戦ったため、前日時点でナ・リーグ3位につけていた防御率ランキングから一時的に姿を消すことになったが、たった1日で再び上位に名を連ねることになるだろう。
その今永の1年目成績だが、29年前のあのレジェンドの1年目とほぼ同じ、うり二つである。
あのレジェンドとは、ストライキ明けの1995年にメジャーリーグを席巻した野茂英雄氏のことだ。
【野茂英雄&今永昇太、メジャー1年目12先発登板時点の成績】
野茂(1995年)6勝1敗、防御率2.05
今永(2024年)6勝1敗、防御率1.96
1995年の野茂氏と今年の今永。勝敗は全く同じで、防御率も酷似しているが、そこに至る過程は正反対と呼べるものだった。
1995年の野茂氏は、開幕からなかなか白星に恵まれず、メジャー初勝利を挙げたのが開幕7試合目の登板。そこから一気に調子を上げて怒涛の6連勝を収めた。7連勝を懸けた13試合目の先発では勝ち負け付かず連勝は止まったが、防御率を1.99へと良化させ、その後のオールスターゲームでは、ナ・リーグ先発投手の大役も担った。
一方、メジャー初登板で初勝利を挙げた今永は、6試合目を終えた時点で5勝0敗。その後は1か月以上も勝利から見放されていたが、前回の登板で久々となる6勝目を挙げた。長らく0点台を維持していた防御率は現在1.96で、何とか1点台を維持している状況だ。
16日のカージナルス戦で、29年前の野茂氏を超える7勝目をゲットできるか。そして野茂氏に並ぶ防御率1点台でデビューから13試合目を終えられるか。
ちなみに開幕から13試合目の先発を終えて防御率2.00未満の成績を残した日本人投手は、今のところ29年前の野茂氏だけ。15日のカージナルス戦は、今永が得意とするホームゲーム(防御率1.31)であり、デーゲーム(同0.76)でもある。シカゴの熱狂的な“昇太マニア”を沸かせる投球に期待したい。
文=八木遊(やぎ・ゆう)