横浜スタジアムでのプレーを願う球児も…
朝晩の冷え込みも徐々に増してくる10月。アメリカではメジャーリーグの、日本ではプロ野球のポストシーズンがそれぞれ盛り上がりを見せている。
セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)はファイナルステージの第2戦を終えた。4年ぶりにリーグ優勝を果たした巨人だったが、リーグ3位のDeNA相手にここまでまさかの2連敗。アドバンテージの1勝はあるものの、1勝2敗でDeNAを追いかける厳しい展開となっている。
そのDeNAは阪神とのCSファーストステージから敵地で負けなしの4連勝中と乗りに乗る。快進撃を支えているのは、CS4試合で合計5失点と盤石の投手陣。巨人打線をこのまま黙らすことができれば、同じくリーグ3位から勝ち進んだ2017年以来となる日本シリーズ進出も現実味を帯びてくるだろう。
ただ、DeNAが下克上を果たすことになれば、少々ややこしい状況が発生してしまうという。
今年の日本シリーズは、セ・リーグ出場チームの本拠地球場で今月26日に開幕する予定だ。第1~2戦に加えて、決着がついていない場合は第6~7戦もセ・リーグチームの本拠地が舞台となる。
もしDeNAが勝ち上がった場合は、横浜スタジアムでの開催となるが、実は第6~7戦が予定される来月2日と3日は、当初、別の大会がブッキングされていた。
それは来春センバツの重要参考資料となる秋季関東大会である。2日の準決勝2試合と、3日の決勝戦は、横浜スタジアムで開催されるはずだった。ただ、DeNAがCSを勝ち進んでいるため、現在は準決勝以降の3試合は「会場未定」となっている。
高校球児にとって最大の目標であり憧れは聖地・甲子園球場でプレーすること。それは誰もが認めるところだが、横浜スタジアムでの試合もめったにできないこと。野球人生において貴重な経験になるはずだ。願わくは、横浜スタジアムの人工芝でプレーしたいと思っている関東の球児も少なくないだろう。
目指すはあくまでも来春の甲子園。ただ、少々複雑な思いで、セ・リーグファイナルステージの動向を見守っている球児も中にはいるかもしれない。
文=八木遊(やぎ・ゆう)