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2025年のプロ野球に新風を吹き込むのはどの若手か―――。今回はセ・リーグの新人王候補3人の名前を挙げていきたい。
新人王の資格を持つ選手の中から、筆者の独断と偏見で本命、対抗、大穴の3人を選んだ。
▼ 本命:伊原陵人(阪神)
昨秋のドラフト会議で阪神が1位指名した24歳の左腕・伊原が最有力候補だ。智弁学園−大阪商業大学−NTT西日本と、関西一筋の球歴を持つが、大学時代には指名漏れも味わった。
しかし、その屈辱をバネに社会人で飛躍。自分自身に向き合った2年間は決して遠回りではなかったことを証明してくれるはずだ。
170cmと投手としてかなり小柄な部類に入るが、最速149キロの速球に加えて、カットボール、スライダー、カーブ、ツーシーム、チェンジアップなどを巧みに投げ分ける。完成度の高さは、大学~社会人で培った経験の賜物だろう。
何より制球力が素晴らしく、開幕ローテーション入りを果たしてくれるはずだ。1年目はズバリ、11勝7敗、防御率2.85でセ・リーグ新人王に輝くとみた。
▼ 対抗:金丸夢斗(中日)
阪神が伊原を指名する前に、指名したのが同じサウスポーの金丸だ。巨人、DeNAを加えた4球団が競合した末に、交渉権を獲得したのは中日。将来的には竜のエースという看板を背負うことになるだろう。
関西大学ではリーグ戦通算20勝3敗、防御率0.83を記録。特に4年時は54イニングを投げて自責点ゼロと無双の活躍を見せた。自身も1年目の目標に新人王を掲げており、本命候補の1人なのは間違いない。
中日に入団したことも金丸にはプラスに転じそうだ。新たなチームメートであり、良きライバルとなるのが同学年の髙橋宏斗。すでに日本を代表する投手に成長している右腕から学ぶことは少なくないはずだ。
ただ、1年目のキャンプは腰痛で出遅れてしまった。焦る気持ちを抑えて、まずはじっくり体勢を整えたいところ。万全な状態で開幕を迎えることができれば、二桁勝利に手が届いてもおかしくない。1年目は8勝6敗、防御率3.00と予想する。
▼ 大穴:小園健太(DeNA)
伊原と金丸よりも年齢は若いが、すでに3年間のプロ生活を経験している小園が大穴候補。2021年のドラフトでDeNAに1位指名された金の卵である。
三浦大輔監督が現役時代に背負っていた18番を継承した右腕は、1年目から体力づくり中心のメニューで大事に育成されてきた。
2年目に二軍で17試合に登板したが、防御率4.21とやや期待外れの成績。3年目の昨季は春先に一軍初登板を果たしたが、3回途中5失点と打ち込まれ、二軍でも18試合で防御率4.46と精彩を欠いた。
3シーズンを終えてプロの壁にぶち当たっている印象の小園だが、今季はキャンプからエンジン全開。練習試合、オープン戦で場数を踏みながら徐々に手応えも感じている様子だ。
素質の高さは誰もが認めるだけに、今季いきなり飛躍を遂げる可能性も十分。プロ4年目の今季は、6勝6敗、防御率3.85と予想する。
いずれにしてもセ・リーグは投手が中心で、今のところ伊原と金丸の左腕2人が双璧。ただ、小園の他にも楽しみな高卒3~4年目の選手も少なくなく、ハイレベルな新人王争いを展開してもらいたいところだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)
新人王の資格を持つ選手の中から、筆者の独断と偏見で本命、対抗、大穴の3人を選んだ。
▼ 本命:伊原陵人(阪神)
昨秋のドラフト会議で阪神が1位指名した24歳の左腕・伊原が最有力候補だ。智弁学園−大阪商業大学−NTT西日本と、関西一筋の球歴を持つが、大学時代には指名漏れも味わった。
しかし、その屈辱をバネに社会人で飛躍。自分自身に向き合った2年間は決して遠回りではなかったことを証明してくれるはずだ。
170cmと投手としてかなり小柄な部類に入るが、最速149キロの速球に加えて、カットボール、スライダー、カーブ、ツーシーム、チェンジアップなどを巧みに投げ分ける。完成度の高さは、大学~社会人で培った経験の賜物だろう。
何より制球力が素晴らしく、開幕ローテーション入りを果たしてくれるはずだ。1年目はズバリ、11勝7敗、防御率2.85でセ・リーグ新人王に輝くとみた。
▼ 対抗:金丸夢斗(中日)
阪神が伊原を指名する前に、指名したのが同じサウスポーの金丸だ。巨人、DeNAを加えた4球団が競合した末に、交渉権を獲得したのは中日。将来的には竜のエースという看板を背負うことになるだろう。
関西大学ではリーグ戦通算20勝3敗、防御率0.83を記録。特に4年時は54イニングを投げて自責点ゼロと無双の活躍を見せた。自身も1年目の目標に新人王を掲げており、本命候補の1人なのは間違いない。
中日に入団したことも金丸にはプラスに転じそうだ。新たなチームメートであり、良きライバルとなるのが同学年の髙橋宏斗。すでに日本を代表する投手に成長している右腕から学ぶことは少なくないはずだ。
ただ、1年目のキャンプは腰痛で出遅れてしまった。焦る気持ちを抑えて、まずはじっくり体勢を整えたいところ。万全な状態で開幕を迎えることができれば、二桁勝利に手が届いてもおかしくない。1年目は8勝6敗、防御率3.00と予想する。
▼ 大穴:小園健太(DeNA)
伊原と金丸よりも年齢は若いが、すでに3年間のプロ生活を経験している小園が大穴候補。2021年のドラフトでDeNAに1位指名された金の卵である。
三浦大輔監督が現役時代に背負っていた18番を継承した右腕は、1年目から体力づくり中心のメニューで大事に育成されてきた。
2年目に二軍で17試合に登板したが、防御率4.21とやや期待外れの成績。3年目の昨季は春先に一軍初登板を果たしたが、3回途中5失点と打ち込まれ、二軍でも18試合で防御率4.46と精彩を欠いた。
3シーズンを終えてプロの壁にぶち当たっている印象の小園だが、今季はキャンプからエンジン全開。練習試合、オープン戦で場数を踏みながら徐々に手応えも感じている様子だ。
素質の高さは誰もが認めるだけに、今季いきなり飛躍を遂げる可能性も十分。プロ4年目の今季は、6勝6敗、防御率3.85と予想する。
いずれにしてもセ・リーグは投手が中心で、今のところ伊原と金丸の左腕2人が双璧。ただ、小園の他にも楽しみな高卒3~4年目の選手も少なくなく、ハイレベルな新人王争いを展開してもらいたいところだ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)