神戸市北区の小部東アローズは、小学1年生から6年生まで、約40人の子供が通う軟式野球チーム。兵庫県スポーツ少年団、神戸市軟式少年野球連盟に所属している。
マネージャーの谷中康夫さんに、酷暑対策について聞いた。
「もともと、うちが練習をしている神戸市北区中里町のグランドは、標高459mの菊水山の中腹にあり、400mほどの標高があります。だから都市部よりは比較的涼しいですね。
でも、最近は、以前と比べても考えられないような暑さになりますから、暑さ対策はしっかりしています。
私たちは毎週土曜、日曜、朝9時から全体練習をはじめ、試合があるときはここから試合に行きます。
この季節は、長時間の練習は危険ですので、30分単位で休憩を取らせるようにしています。ベンチにはそれぞれの水筒をおいて、水分補給をするようにしています。
でも、子供の体調は急変することがあります。だから、子供たちには『水が飲みたくなったら、いつでも勝手に飲みに行ってよろしい』と言っています。
小さい子供の場合、『監督やコーチに断ってから飲みに行きなさい』と言うと、それがプレッシャーになることもあります。そういう心理的な圧迫を取り除くことも大事です。
こまめに水分補給をする習慣をつけさせることは本当に大事ですね。
うちの全体練習は、土日だけですから、お父さんやお母さんも参加しやすくなっています。とにかく、大人が子供の様子をずっと見守ることも大事です。できるだけ多くの『大人の目』が子供を見守ることで、『あの子の様子がおかしい』と気が付いてほしいんですね。
それでも気分が悪くなる子がいます。そういう子はもちろん、休ませますが、気温が高い中では日陰で休ませても十分とは言えません。そこで、うちではグランドの横にエアコンを設置した建物を設け、気分が悪くなった子はそこで休ませるようにしています。もちろん、それでも症状が治まらなければ病院へ向かわせます。
うちの練習場の電気や水道は自分たちで引きました。私は建設業をしているので、自社の工事機器を使うなどして、少しは安くすることもできましたが、それでもお金がかかりました。
でも、子供たちが安心して野球に打ち込んでもらうためには、こうした投資も必要だと思います。親御さんもみなさん、理解してくださいます。
AEDの設備は8年前からレンタルしています。使い方も講習を受けてマスターしています。幸いなことに、まだ使った経験はありませんが。
それからバックネット裏に今年からミストシャワーの装置を設置しました。つけたとたんに子供たちがそこから離れなくなりましたが(笑い)。
昔の野球は「根性」「我慢」で厳しい夏を乗り越えましたが、最近は地球温暖化が進んでいます。私たちが子供の頃とは事情が違います。
備えあれば憂いなし、です。これからも、子供たちの健康、命を守るためにできることは何でも取り組むつもりです」
すべての少年野球で、ここまでの設備を取り入れるのは、難しいとは思う。
しかし、昨今の異常気象による猛暑は、気象庁の言う通り「一つの災害」と認識すべきレベルになっている。
少年野球を見守る大人は、子供たちの健康管理に細心の注意を払うべきだ。
また、危険な状態だと判断すればどんなタイミングであっても「勇気をもって中止する」ことも一つの選択肢になってくるだろう。(取材・写真:広尾晃)
マネージャーの谷中康夫さんに、酷暑対策について聞いた。
「もともと、うちが練習をしている神戸市北区中里町のグランドは、標高459mの菊水山の中腹にあり、400mほどの標高があります。だから都市部よりは比較的涼しいですね。
でも、最近は、以前と比べても考えられないような暑さになりますから、暑さ対策はしっかりしています。
私たちは毎週土曜、日曜、朝9時から全体練習をはじめ、試合があるときはここから試合に行きます。
この季節は、長時間の練習は危険ですので、30分単位で休憩を取らせるようにしています。ベンチにはそれぞれの水筒をおいて、水分補給をするようにしています。
でも、子供の体調は急変することがあります。だから、子供たちには『水が飲みたくなったら、いつでも勝手に飲みに行ってよろしい』と言っています。
小さい子供の場合、『監督やコーチに断ってから飲みに行きなさい』と言うと、それがプレッシャーになることもあります。そういう心理的な圧迫を取り除くことも大事です。
こまめに水分補給をする習慣をつけさせることは本当に大事ですね。
うちの全体練習は、土日だけですから、お父さんやお母さんも参加しやすくなっています。とにかく、大人が子供の様子をずっと見守ることも大事です。できるだけ多くの『大人の目』が子供を見守ることで、『あの子の様子がおかしい』と気が付いてほしいんですね。
それでも気分が悪くなる子がいます。そういう子はもちろん、休ませますが、気温が高い中では日陰で休ませても十分とは言えません。そこで、うちではグランドの横にエアコンを設置した建物を設け、気分が悪くなった子はそこで休ませるようにしています。もちろん、それでも症状が治まらなければ病院へ向かわせます。
うちの練習場の電気や水道は自分たちで引きました。私は建設業をしているので、自社の工事機器を使うなどして、少しは安くすることもできましたが、それでもお金がかかりました。
でも、子供たちが安心して野球に打ち込んでもらうためには、こうした投資も必要だと思います。親御さんもみなさん、理解してくださいます。
AEDの設備は8年前からレンタルしています。使い方も講習を受けてマスターしています。幸いなことに、まだ使った経験はありませんが。
それからバックネット裏に今年からミストシャワーの装置を設置しました。つけたとたんに子供たちがそこから離れなくなりましたが(笑い)。
昔の野球は「根性」「我慢」で厳しい夏を乗り越えましたが、最近は地球温暖化が進んでいます。私たちが子供の頃とは事情が違います。
備えあれば憂いなし、です。これからも、子供たちの健康、命を守るためにできることは何でも取り組むつもりです」
すべての少年野球で、ここまでの設備を取り入れるのは、難しいとは思う。
しかし、昨今の異常気象による猛暑は、気象庁の言う通り「一つの災害」と認識すべきレベルになっている。
少年野球を見守る大人は、子供たちの健康管理に細心の注意を払うべきだ。
また、危険な状態だと判断すればどんなタイミングであっても「勇気をもって中止する」ことも一つの選択肢になってくるだろう。(取材・写真:広尾晃)
(取材・撮影:広尾晃)