◆ 交渉決裂から一転、生え抜き主砲との契約延長に成功
トロント・ブルージェイズとウラジーミル・ゲレロJr.内野手(26)が2039年シーズンまでの契約延長に合意したと現地時間7日、現地複数メディアが報じた。新契約は来季から14年総額5億ドルとされ、後払いやオプトアウト権は一切含まれていないという。
殿堂入りした名選手ウラジーミル・ゲレロを父に持つゲレロJr.は2015年にブルージェイズへ入団し、2019年にMLBデビュー。2021年には打率.311、リーグ最多の48本塁打、111打点、OPS1.002と活躍を収め、MVP投票2位に選出された。昨季は打率.323、30本塁打、103打点、OPS.940を記録し、自身2度目となるシルバースラッガー賞を獲得。4年連続でオールスターゲーム出場を果たし、チームの主砲として6シーズン通算160本塁打をマークしている。
予てより球団との延長交渉が報じられていたゲレロJr.は今年2月のスプリングトレーニング初日を交渉期限に設定するも、契約合意には至らず。選手自らメディアの前に立って交渉決裂を伝え、今季終了後にFA市場へ出ることが確実視されていた。しかし、ブルージェイズは開幕後も交渉を継続。最終的に後払い無しの総額5億ドルという、ゲレロJr.の希望に応える形での契約延長が実現した。
今回の契約は、メッツのフアン・ソト(15年総額7億6500万ドル)、ドジャースの大谷翔平(10年7億ドル)に次いでMLB史上3番目の大型契約となっているが、契約の大部分が後払いとなる大谷の契約は現在価値で総額4億6080万ドルと推定され、後払いの含まないゲレロJr.の契約は現在価値で史上2位に。また、球団としても2021年にジョージ・スプリンガーと結んだ6年総額1億5000万ドルを大きく上回り、史上最高契約となっている。
父がモントリオール・エクスポズでプレーしていた1999年にカナダで生まれたゲレロJr.。自身が40歳になる2039年シーズンまでという事実上の“終身契約”により、カナダ唯一の球団であるブルージェイズでキャリアを全うする見込みとなった。