「複数イニングはずっとやってきたので、中ロングに対して違和感なく、むしろ自分の良さが出せるポジションに入れている感じがします」。
ロッテの高野脩汰は今季6試合に登板しているが、5月11日の西武戦以外は複数イニングを投げている。
6月6日の中日戦も、2-3の7回から登板し、2回・35球を投げ、被安打0、2奪三振、2与四球、無失点に抑える好リリーフを見せた。
ロングリリーフとはいえ、前回登板の中日戦のような1、2点ビハインドの場面や、相手打線が完全に勢いのついた大量ビハインド、反対に味方が大量得点を奪ったリードする展開でのマウンド、同点でチームに流れを持ってくるような投球が期待される場面、先発投手のアクシデントを受けての登板など、さまざまなシチュエーションがある。
「投げ方が特徴的というのもあるので、自分の良さを出せば相手が調子がよかろうといけると思っているので、全然気にしていないです」と、どんな状況でも変わらず自分の良さを発揮しようとマウンドに上がっている。
今季は開幕一軍を掴み、初登板となった3月29日のソフトバンク戦、4-4の6回から登板し2回を無失点に抑えプロ初ホールドをマークするなど、2試合・5回2/3を投げ無失点に抑えながら、4月4日に一軍登録を抹消された。
5月5日に再昇格を果たすまでの期間、「調子を落とさずにキープで迎えるのもそうですし、上で試せなかったスライダー、曲がり球を試すいい時間になったのかなと思います」と同日の取材で話していたが、再昇格後のスライダーについて「結構投げられていて、オリックス戦も三振取れましたし、カウントも取れましたし、自分の武器としてはいい感じで来ています」と手応えを掴む。
フォークは「ずっと1年目から変わらず感覚も落とさず投げられているので、継続していきたいです」と話したが、石垣島春季キャンプ中は「もう少しレベルアップしていかないと」と話していた。
フォークを良くするために、「なあなあに握らずにしっかり思っていた通りの握りを確認して投げるであったり、リリースのポイントを動画で見直してちょっと低いな、後ろで放しすぎているなというのをチェックしながらやっています」と、意識を高く持って取り組む。
ロングリリーフは、先発投手が安定していればなかなか登板機会が訪れにくく、高野も5月22日のオリックス戦で登板してから、次の登板となった6月6日の中日戦まで2週間以上登板間隔が空いた。調整の難しさがある中で、結果を残さなければならない、“勝ち試合”で投げるリリーフとは違った難しさがある。
「自分が行く展開というのはいろいろあって序盤の点差が開いていない時に、先発同様第2先発としていく場合もありますし、リズムよく抑えてビハインドだったら次の攻撃にいい流れで行けるように守備からリズムを作る立場だと思っています。どちらにしろ、チームにいい流れが来るように、自分の投球で流れが変わるようにやっています」。今、与えられたポジションで懸命に腕を振っている。
取材・文=岩下雄太