◆ 最近5年間の新外国人成績
1日にプロ野球はキャンプイン。今季もカミネロ(巨人)、ジェンセン(ソフトバンク)、アラウホ(中日)など多くの新外国人選手が入団した。新外国人の活躍がチームの命運を分けることも少なくない。ここでは、最近5年間で広島の新外国人選手がどんな成績を残したのか見ていきたい。
【2012年】
12年は投手がミコライオ、野手がニック、エルドレッド(途中加入)が入団した。
ミコライオは入団当初はセットアッパーを任されていたが、シーズン途中から抑えに配置転換となり21セーブをマーク。
野手ではニックが5月8日の阪神戦で3打席連続本塁打を放つなど、5月までの2カ月で9本塁打を記録。しかし、6月11日のオリックス戦で大怪我し離脱。
ケガしたニックに代わる大砲として、シーズン途中からエルドレッドが入団。エルドレッドは、8月と9月の2カ月で11本塁打を放った。
<投手>
ミコライオ
12年成績:61試 3勝5敗21S 防2.79
<野手>
ニック
12年成績:52試 率.238 本9 点24
エルドレッド
12年成績:65試 率.262 本11 点35
☆途中加入
【2013年】
この年、球団初となるCSに出場した広島。シーズン途中に加入したキラが、打線の起爆剤となり、CS進出の立役者となった。
キラは7月9日のDeNA戦でデビューを飾ると、同試合から3試合連続本塁打を記録。シーズン終盤には3番キラ、4番エルドレッドの大砲2人が打線を引っ張った。
また、ルイスは開幕から1番打者として出場を続けていたが、日本の投手に対応できず、8月16日のDeNA戦を最後に一軍出場がなかった。
<投手>
ソコロビッチ
13年成績:11試 0勝2敗 防0.79
<野手>
ルイス
13年成績:79試 率.268 本4 点20
キラ
13年成績:66試 率.259 本14 点45
☆途中加入
【2014年】
この年は前年からプレーする助っ人外国人と、新助っ人で4つの外国人枠を巡った激しい争いが繰り広げられた。
特にロサリオは、5月1日の阪神戦で4安打2打点の活躍を見せるも、外国人枠の関係で二軍落ちということもあった。シーズン序盤は一、二軍の往復が多かったが、9月2日の巨人戦でサイクル安打を記録するなど、シーズン終盤にはチームに欠かせない存在となっていた。
投手は途中入団したヒースが、ナックルカーブを武器に7試合に登板して、3勝を挙げた。
<投手>
フィリップス
14年成績:9試 1勝0敗 防3.27
ヒース
14年成績:7試 3勝0敗 防2.38
☆途中加入
<野手>
ロサリオ
14年成績:69試 率.336 本14 点49
【2015年】
24年ぶりにリーグ優勝を目指したこの年、契約初年度の助っ人では球団史上最高額となる年俸1億円(推定)でグスマンを獲得するなど、球団の本気度が伺える補強を敢行。
グスマンは打率.230、3本塁打、12打点と期待外れに終わったが、投手のジョンソンが素晴らしい働きを見せた。来日初登板となった3月28日のヤクルト戦、1安打完封で来日初勝利を挙げると、その後も安定した投球を見せ、リーグトップの防御率1.85、リーグ2位の14勝を挙げた。
<投手>
ジョンソン
15年成績:28試 14勝7敗 防1.85
ザガースキー
15年成績:19試 0勝0敗 防2.40
<野手>
グスマン
15年成績:34試 率.230 本3 点12
シアーホルツ
15年成績:65試 率.250 本10 点30
☆途中加入
【2016年】
ジャクソン、ヘーゲンズ、ルナの3人はチームの中心として、25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
ジャクソンは抑えの中崎翔太に繋ぐ、セットアッパーとして67試合に登板して、37ホールドをマーク。ヘーゲンズは先発、リリーフの両方をこなし、7勝を挙げた。
中日から加入したルナは、広角に打ち分ける打撃で春先は4番打者としてチームを引っ張った。故障で離脱することが多く、シーズン通してプレーすることはできなかった。
<投手>
ジャクソン
16年成績:67試 5勝4敗 防1.71
ヘーゲンズ
16年成績:50試 7勝5敗 防2.92
デラバー
16年成績:2試 0勝0敗 防0.00
<野手>
ルナ
16年成績:67試 率.272 本5 点34
☆中日から加入
プライディ
16年成績:一軍出場なし
◆ 今季加入した外国人
【2017年】
ブレイシア
生年月日:1987年8月26日
出身地:アメリカ
ポジション:投手
身長/体重:183センチ/102キロ
投/打:右投/左打
ペーニャ
生年月日:1985年7月18日
出身地:メキシコ
ポジション:内野手
身長/体重:181センチ/91キロ
投/打:右投/両打
◆ 当たり助っ人が多い広島
この5年間をみると、投手ではミコライオ、ジョンソン、ジャクソン、ヘーゲンズ、野手ではエルドレッド、キラ、ロサリオなど当たりの助っ人が多い。
ジョンソンは1年目の15年に最優秀防御率のタイトルを獲得する活躍を見せ、2年目の昨季も15勝、防御率2.15と抜群の安定感を披露した。広島の先発陣には欠かせない存在となっている。
エルドレッドは12年に途中加入し、同年11本塁打を記録すると、翌13年は13本塁打。13年限りでの退団が濃厚となっていたが、野村謙二郎監督(当時)の強い要望により残留。14年には37本のアーチを描き、本塁打王のタイトルを獲得した。15年以降も、広島に数少ない長距離砲としてチームを支える。