4月終了で1割台は52年ぶり…
「これほど打てないのは初めて」…。
率いる伊東勤監督も、嘆かずにはいられない。
2年連続の3位から、日本ハムとソフトバンクの“2強崩し”を狙って始まったロッテの2017年シーズン。オープン戦は13勝2敗3分で驚異の.867という勝率を残し、大きな期待を持っての幕開けとなった。
ところが、開幕して待っていたのは空前絶後の打撃不振。昨年のアルフレド・デスパイネの穴を埋めるべく獲得した2名の新助っ人、マット・ダフィーとジミー・パラデスが慣れない新天地でのプレーに苦しみ、昨季の首位打者・角中勝也は調子が上がらないまま負傷離脱など不運も重なり、4月は7勝16敗の負け越し9で終わった。
順位的には下に日本ハムがいたものの、チーム打率.186はリーグワースト。4月終了時にチーム打率が1割台だったのは、東京オリオンズ時代の1965年以来で52年ぶりという不名誉な記録を作ってしまった。
ワースト記録は「.180」
チーム打率の球団ワースト記録が、その1965年に記録された.232。4月終了時は.196であったが、それでも最終的には2割3分台まで回復した。
この年のパ・リーグといえば南海の野村克也が三冠王に輝いたシーズンであるが、当時のチームでいうと主に2番を打っていた八田正が.275で打撃成績の10位にランクイン。助っ人のスタンリー・パリスも打率.274で25本塁打をマークし、元祖・安打製造機こと榎本喜八も不振に苦しみながらも打率.268を記録した。出だしこそ遅れたものの、最終的には各選手が巻き返して終えている。
ちなみに、2リーグ制になってからはチーム打率が2割を切ってシーズンを終えたチームというのはなく、1962年の国鉄スワローズが記録した.201というのがワースト記録。パ・リーグでは1957年の大映ユニオンズが記録した.213というのがワースト記録だ。
なお、1リーグ時代も含むと、1943年の大和軍が記録した.180というのがプロ野球の歴史におけるワースト記録。もしもこのままロッテが1割台のチーム打率でシーズンを終えるようなことになると、1944年の産業軍(.184)以来で73年ぶりの不名誉な記録となる。
チームは開幕前のWBCで活躍したキューバ代表のロエル・サントスを緊急補強。月末からは伝統的に強さを見せている交流戦もはじまるだけに、どこかで復調のキッカケを掴みたいところ。
今季ワーストの8連敗と言うが、4月に10連敗を喫してどん底にあった日本ハムは立ち直る兆しを見せ、5月はここまで9勝4敗と勢いを取り戻している。
始まって1カ月半のペナントレースはこれから100試合以上を残しており、まだまだこれから。マリンガン打線の復活へ…まずは呪縛を解き放つ救世主の出現が待たれる。