◆ 鷲と鷹に離脱者続出…
後半戦の幕開け早々、パ・リーグでは楽天とソフトバンクが熾烈な首位争いを繰り広げている。
猛追するソフトバンクを振り切り、日本一に輝いた2013年以来の首位ターンを決めた楽天。直接対決3連戦は初戦が雨で流れて1勝1敗。現在両チームのゲーム差は「1.5」と、目が離せない状態はつづく。
そんな中、気になるのが両チームの離脱者の多さである。これから厳しい夏場を迎えるにあたり、ここまでパ・リーグを突っ走ってきた2チームの主力にアクシデントが続出しているのだ。
【楽天の離脱者】
▼ 投手
松井裕樹 『左肩痛』(7月27日抹消)
▼ 内野手
茂木栄五郎 『右肘の骨挫傷』(6月19日抹消)
藤田一也 『腰痛』(7月19日抹消)
今江年晶 『左前腕部骨折』
▼ 外野手
岡島豪郎 『左肩関節唇損傷』(7月24日抹消)
ペゲーロ 『左太もも裏肉離れ』(7月24日抹消)
首位を死守している楽天は、この7月下旬に来て“呪い”の如く離脱者が続出している。
茂木と藤田の二遊間コンビを欠いているのに加え、攻撃的2番として打線を引っ張ってきたペゲーロが試合中に負傷。同じ日に外野のレギュラーだった岡島も登録抹消となり、極めつけは絶対的守護神・松井裕樹の離脱も決定。さらに追い打ちをかけるように、直後の試合で今江が負傷…。チームは大きな危機に瀕している。
【ソフトバンクの離脱者】
▼ 投手
和田 毅 『左肘の炎症』(4月11日抹消/5月22日に遊離軟骨クリーニング手術)
松坂大輔 『右肩の違和感』(一軍登板なし)
五十嵐亮太 『左半腱半膜様筋損傷』(7月12日抹消)
スアレス 『右肘痛』(一軍登板なし/4月1に右肘内側側副靱帯再建手術)
▼ 内野手
ジェンセン 『右脚の肉離れ』(6月12日抹消)
川崎宗則 『両足アキレス腱痛』(7月24日抹消)
▼ 外野手
内川聖一 『左手親指の剥離骨折』(7月26日抹消)
一方のソフトバンクの方も、変わらず好調を維持しているとはいえ離脱者は多い。
特にここに来て4番の内川が守備時に負傷。左手指の骨折が発覚した。バットでの貢献はもちろんのこと、松田宣浩とともにベテランらしくチームを支える精神的支柱の役割を担っていただけに、大きな痛手となるだろう。
◆ 両指揮官のマネジメントに注目
そんな中、楽天は巨人からクルーズを金銭トレードで獲得するなど、優勝へ向けて補強期限ギリギリまで動きを見せている。
持てる戦力をどのように使っていくのか。窮地の時こそ、指揮官の手腕が問われるところ。経験豊富な工藤公康監督と梨田昌孝監督が見せる采配には注目だ。
さらに、ここまでは完全に“2強”という構図でパ・リーグの争いを見てきたが、ここに来て調子を上げているのが3位の西武だ。
後半戦頭のソフトバンク3連戦で3タテを食らったものの、21日の日本ハム戦から6連勝と見事に立ち直った。楽天とソフトバンクが痛み分けの間に、2位とのゲーム差は7.5。これを詰めていくのは容易ではないが、上位2チームに離脱者が続出している今は絶好のチャンスである。
楽天とソフトバンクの争いが続いていくのか。はたまた西武が後方から一気の差しを見せるのか…。この夏はパ・リーグの上位争いから目が離せない。