与えられた役割をしっかりとこなしたイチロー

◆ 悪いシーズンではなかった!?

 今季開幕を43歳で迎えたイチローにとって、2017年は必ずしも“悪い年”ではなかった。

43歳以上の選手としては、メジャー歴代最多となる136試合に出場。シーズン打率は前年の.291から.255に下げたが、過去3年は1本ずつだった本塁打数は3本に増え、代打安打はシーズンメジャー記録にあと1本に迫る27本を数えた。

 今季は悪い年ではなかったと述べたが、4月の月間打率はメジャーでは自身初の1割台(.148)。5月27日時点でも打率は.148と低迷。日米で“引退”の二文字もささやかれ始めた。

 しかし、イチローはそこから見事に巻き返しに成功。5月28日以降の4か月間で.304という高い打率を残し、2017年シーズンを終えた。

 2017年はスタメン機会が46試合と前年(121試合)のほぼ3分の1にまで減り、代打が主な役割となった。スタメン時の打率.268に対し、途中出場した試合では.322と、与えられた役割にも慣れ、好成績を残した。また得点圏時に代打起用された場面では27打数9安打(打率.333)、10打点と勝負強さも見せつけた。

◆ 三振が目立った2017年

 一方で今季は三振するシーンが目立った。マーリンズ移籍後の15年が11.6%、16年が11.5%だった三振率は今季、自己ワースト2位の16.3%(ほぼ6打席に1三振)に大きく悪化。特に、空振り率は自己ワーストの7.5%と年齢による“眼”の衰えは隠せなかった。それでも、その空振り率はオールスターの前後で9.7%から5.3%に改善されており、来季に向け、不安を払しょくした形だ。

 今のところイチローの来季の去就は不透明だが、今季後半戦の各種データを見る限り、第4の外野手として契約するチームは必ずあるだろう。そして、ぜひイチローには、優勝を狙えるような強豪チームでプレーしてもらいたい。

 17年間のメジャー生活で一度も経験していないワールドシリーズの舞台に立つイチローの姿を見たいと願うファンは決して少なくない。

▼ イチロー

生年月日:1973年10月22日(44歳)
身長/体重:180センチ/79キロ
投打:右投左打
ポジション:外野手
経歴:愛工大名電高-オリックス(91年D4)-マリナーズ-ヤンキース-マーリンズ
[今季成績] 136試 率.255(320-50) 本3 点20
[通算成績] 2636試合 率.313(9885-3080) 本117 点780

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】 1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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