ニュース 2018.12.29. 14:54

女子プロ野球の“功労者”川端友紀が電撃引退

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引退を表明した川端

ヤクルト・川端の実妹が野球人生に一区切り


 平成最後の年末、女子プロ野球界に激震が走った。

 日本女子プロ野球リーグの埼玉アストライアは29日、女子プロ野球の一期生として、女子プロ野球や女子野球日本代表として活躍し、女子野球界を牽引してきた川端友紀選手が今シーズン限りで引退することを発表した。また、アストライアのキャプテンであり、川端と共に主軸を担ってきた楢岡美和選手も引退する。

この時期の引退発表は異例の出来事。関係者の話によると、川端と楢岡からシーズン終了後に現役引退の申し出があり、球団は慰留に努めてきたものの、最終的に申し出を受理したとのこと。埼玉アストライアは、来年1月中旬から下旬を目安に、引退記者会見を開き、本人の口から引退理由などを話す機会を設けるという。引退セレモニーなども行われる予定であり、ファンの前で挨拶をする機会も用意される見込みだ。


 川端は、2009年に開催された第1回女子プロ野球合同トライアウトに参加し、女子プロ野球の一期生となることに成功。ヤクルトでプレーする川端慎吾の実妹であることから、日本初の 「兄妹プロ野球選手」として注目を集め、抜群の知名度を生かして女子プロ野球発展のため、メディアへの露出を積極的に行うなど尽力してきた。

 2013年にアストライアが創設されると、創設メンバーの1人として京都アストドリームスから移籍。同年には自己最高となる打率.431を記録した。以降、3度の首位打者を獲得したほか、最多打点や最高出塁率、角谷賞(MVP)を受賞するなど、女子プロ野球の顔として活躍した。

 侍ジャパン女子代表には、2012年から選出され、4大会連続で女子野球ワールドカップにプロの選抜選手として出場。今年アメリカで行われた第8回大会でも主軸として活躍し、日本代表を6連覇に導いている。


▼ 川端友紀選手コメント
2018年シーズンを持ちまして、引退を決意しましたので、ご報告させて頂きます。
私は8歳の時に野球を始めたので、20年以上の野球(ソフトボール)人生を歩んできました。
兄に憧れて始めた野球、兄に憧れて挑戦したプロの世界。今思えば、常に兄の後ろ姿を追いかけてきました。
女子プロ野球選手になって、本当にたくさんの方と出会い、その方々が私にとって一番の財産となりました。
女子プロ野球リーグを創り支え続けてくださった角谷社長、一緒に厳しい練習を乗り越えてきた選手、多くの指導者の方にたくさんの事を学び、スタッフの皆さんに支えて頂きました。
そして、どんな時も温かい声援を送ってくださったファンの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

最後のシーズンは結果で返す事が出来ませんでしたが、選手として精一杯やってきました。
楽しいことも苦しいことも、本当に色んなことがありましたが、どれも今では良い思い出です。
これから新しい人生を歩んでいきますが、悔いのない人生、選択をしていきたいと思います。
9年もの長い間、ご声援頂いた皆さん、本当にありがとうございました!


 球場で取材を受けるときには常に笑顔で対応していたのが印象的。毎年開催されている神宮球場での試合でも、率先してプロモーション活動を行っていた。女子野球界にとっての功労者の1人であることは間違いない。

 川端、楢岡の主軸2人の引退、辻内崇伸監督の退団により、埼玉アストライアは新たなチームとしてスタートをきることになる。


取材・文=どら増田
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