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「正しい投げ方を身につけて」…米野智人さんの願い

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米野さんが語る“理想の捕手像”とは……?


 かつてヤクルトで“古田の後継者”として大きな注目を集め、2006年には正捕手として活躍した米野智人氏。現役引退から3年……男はいま野球界を離れ、東京・下北沢でカフェレストラン「inning+(イニングプラス)」を経営している。

 新たな戦場で第2の人生に挑んでいる一方、自らを大きく成長させた野球というスポーツへの愛情は未だ衰えることはない。今年2月には、FROMONE SPORTS ACADEMYにて「元プロ野球選手に学ぶキャッチャー育成講座」を開講。そこでは講師として教壇に立ち、指導者やプレーヤーに向けて捕手育成のノウハウを伝授する活動もはじまっている。

 今回は「キャッチャー育成講座」の第2回開催を前に、講師を務める米野智人さんにインタビューを敢行。長年にわたって捕手としてプレーし、プロ野球界でも活躍してきた男の“捕手観”や、第2回講座に向けたお話を伺った。


▼ 米野智人さん・インタビュー
⇒ “古田の後継者”の現在地・前編
⇒ “古田の後継者”の現在地・後編

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「キャッチャーで勝つのが一番うれしかった」


―― 捕手って、正直やりたがる子はあまり多くないですよね。

たしかに、めんどくさいことは多いですよね。
実際に僕もそう思っていましたし。



―― そんな中で、米野さんが思う捕手の“おすすめポイント”って何かありますか?

やっぱり、チームの命運を握る重要な役割を担うというところですかね。
その中でもキャッチャーって唯一逆の方向を向いていて、みんなを見渡している。
よく言われますけど、チームの要なんですよね。グラウンド上の監督とも言われますけど。



―― 大変だけど、やりがいも大きなポジションであると。

本当にそう思います。
存在感があるキャッチャーがこっちを向いているとチームに安心感が生まれる。
ゆくゆくはそんな存在を目指してもらいたいですね。



―― 学べることも多いですよね。

自分でそんな気はなくとも、自然とチームのまとめ役という役割になってきます。
そういった点からもリーダーシップは育みやすいポジションだなと思いますね。
集団を統率するという経験は、野球をやめても後の人生では必ず生きてきます。
人間的にも成長できる、得るものの多いポジションですよね。



―― 米野さんが最もやりがいを感じた瞬間はいつですか?

やっぱり試合に勝った時ですね。
最後はいろいろなポジションをやったんですけど、やっぱりキャッチャーで勝つのが一番うれしかった。
もちろん、自分のミスで負けることもあるんですけど、その分だけ勝った時の喜びも大きい。
大変な分、やりがいを感じることも多かったです。



―― いまプレーしている子どもたちにアドバイスするとしたら?

子どものころ、少年野球のうちはとにかく考えずにプレーしていいと思います。
野球を純粋に楽しむというか、ボールに触れる回数の多いポジションでもありますし。
捕って、投げて、盗塁を刺して、ひとつひとつのプレーを楽しみながらやってほしいですね。



―― 年齢が上がるにつれて考えなければならない場面も増えていく?

野球のレベルが上がってくると要求されることも増えますからね。
野球もどんどん細かくなっていくので、やることは格段に増えます。
だからと言って何かを変える必要はないと思いますけど、
う~ん……強いて言うと、本を読みなさいとかですかね(笑)



―― 野球に関係するかどうかは限らず?

もちろんです。
どちらかというと考える癖をつけてほしい。
本を読むことで情報を得ることができるので、いろいろな分野からの知識を増やす。
野球に関係ない分野の知識も積極的に取り入れていく。
こうした姿勢を早くから身に着けられたら、いいキャッチャーになれると思います。



―― では、今度は指導者の方へのアドバイスはありますか?

どうしても自分の経験がメインになってしまいがちで、
「こう教わったからこう」というのが多いですよね。
それはちょっと危険かなと思っていて。
自分の常識は果たして正しいことなのかどうか……。
改めて考えて教えていってほしいなと思いますね。



―― 時代とともに指導法も変わってきますよね。

やはり研究も進んでいきますし、新しいことで良いことも多いです。
だから指導者も日々勉強なんですよね。
考えは常にアップデートしていかないといけない。
もちろん、古い考えが悪いとは言いませんけどね。
ただ、理にかなってないことを押し付けてはいけないなと思います。



―― いろいろ情報が手に入る世の中ですしね。

今はYouTubeとかにもたくさん動画が上がっていますよね。
僕もそういうの見ることありますし、合う・合わないは別にして見てみようという。
そうすることで考えをアップデートできますから。



―― では最後に、米野さんが考える“理想の捕手像”とは?

ひとことで言うと、『信頼される男』ですかね。
全員から「あいつがいればチームが締まる」と思われること。
いるだけで、みんな地に足がつくというか、そういう存在ですよね。



―― 一朝一夕には成しえないものですね。

相当難しいことですよ。
ヤクルトでは古田さんがまさにそうだった。
古田さんがいるだけで、みんな冷静に判断ができるようになる。
当然緊張感はあるんですが、その中でもチームに安心をもたらしていました。



―― 強いチームに名捕手あり、とよく言われます。

本当にその通りだと思いますね。
その人がいるだけでチームが浮足立つことなく戦える。
そんな人がどっしりといてくれたら、そのチームは強いですよね。



―― そこにたどり着くためには?

もちろん数字、成績は残していかなければいけないですし、
ただそれだけでもダメなんですよね。
チームを勝利に導く動きを常にしていくことです。



―― プレーはもちろん、振る舞いも含めてと。

そういうことです。
コツコツと仕事をこなしていくこと。
その日々の積み重ねで信頼ってできていきますよね。



第2回の講義について


―― 26日の「キャッチャー育成講座」第2回は『スローイング』がテーマになります。

まずは捕手に限らず、“正しい投げ方”について取り上げたいですね。
最近とにかく故障が多くて、特に肘の故障が多発しているんですよ。
若年層もそうで、高校野球の球数制限とかも話題になってますよね。



―― まずは故障しにくい投げ方を身に着けようと。

投げ方の間違いが一番故障に繋がりますからね。
球数制限も分かるんですけど、まずは投げ方だと僕は思う。
まずはケガをしない投げ方を習得することが大切で、
指導者がその正しい投げ方を教えてあげないといけない。
ただ、できる人って本当に少ないんですよね。
だからこそ故障する人も増えているんですけれど。



―― いわゆる捕手の盗塁阻止のスローイングはその後に?

そうですね。
まずは正しい投げ方、故障しない投げ方を見ていきたい。
そこから応用する形で捕手のスローイングに移っていくのがいいかなと。



―― 投手に限らず、捕手も単純にボールを投げる機会は多いですよね。

そうなんですよ。
無理な体勢から思い切り投げたり、座ったまま投げたりもするので、
投げ方が良くないと故障するリスクも大きくなりますね。



―― 米野さんも「おかしいな?」ということはありましたか?

ありましたね。
僕は肩に自信があったので、自分の投げ方にも自信がありました。
なので“投げ方”についてあまり気にすることはなかったんですが、
ケガで痛くなった時期とかもあったりして、
今思えば正しい投げ方じゃなかったかなぁと。
現役時代からもう少し関心をもってやっていたら……
と今になって思うこともありますよね(笑)



―― 肘を故障してしまうと選手生命に関わる場合も大いにありますね。

僕も先輩や後輩に何人も手術した選手を目の当たりにしてきましたので。
私生活という部分では大きな手術をしても支障は出ないですけど、
やっぱり野球となると話は別なんですよね。
なかなか元には戻らなくて。どうしてもパフォーマンスは落ちてしまう。
復帰できずに引退してきた方を何人も見てきましたから、
どうにかそうなることを避けてもらいたいです。
そのためにも、僕の話が少しでも役に立てばいいですね。




元プロ野球選手に学ぶキャッチャー育成講座



“正捕手不在”――
現在の野球界にとって大きな課題となっている出来事の一つではないだろうか。
その要因として、”キャッチャーとは何か?”を教えられる指導者がいないことも大きいだろう。

「キャッチャーは専門職であり、経験者でないと教えられない。」と語るのは野村克也氏。

その野村氏が育てた名捕手・古田敦也氏から、直々に
“キャッチャーとは何か?”
を学んできた元ヤクルトスワローズの捕手・米野智人氏を講師に迎え、
キャッチング編・スローイング編・配球&戦略編の全3回に分けて開催する。

⇒ お申し込みはコチラのページから


▼ タイトル
元プロ野球選手に学ぶキャッチャー育成講座-vol.2-スローイング編

▼ 日時
2019年3月26日(火) 19:30~21:00

・当日のスケジュール
19:00 開場
19:30 講義開始
21:00 終了予定

▼ 会場
FROMONE SPORTS BASE
(〒104-0032東京都中央区八丁堀4-9-4)
※「八丁堀」駅・A1出口から徒歩1分

▼ 登壇者
米野 智人(よねの・ともひと)

1982年、北海道生まれ。
北照高校から1999年ドラフト3位でヤクルトスワローズに入団。
強肩の捕手として「ポスト古田」と期待を集めた。
2001年に一軍初昇格、2002年に初安打、初めてのサヨナラ安打を記録した。
古田敦也が選手兼監督になった2006年に自己最多の116試合に出場し、7本塁打を放っている。
2010年シーズン途中に埼玉西武ライオンズに移籍。
2012年から外野手に転向した。
2016年に北海道日本ハムファイターズで選手兼コーチ補佐としてプレーしたのち引退。
現在は東京・下北沢でカフェレストラン「inning+(イニングプラス)」を経営している。

▼ こんな方におすすめ
・野球指導者
・プレイヤー(高校生以上)
・キャッチャーをやられている方
・他のポジションを守っているが、キャッチャーというポジションのことも知りたい方

▼ 参加費
学生:2000円
一般:4000円

▼ 定員
50名

▼ 持ち物
筆記用具
※学生の方は学生証もご持参ください。

▼ 主催
ウッチャエ(株式会社IforC)
FROMONE SPORTS ACADEMY運営事務局

▼ 協力
サッカーキング、ベースボールキング


☆注意事項・お問い合わせは以下のページでご確認ください。
⇒ https://fromone-sc.jp/academy/1255


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