7年目で待望のプロ初勝利へ
開幕20試合を終えて8勝11敗1分と3つの負け越しを作っている昨季のパ・リーグ王者・西武。開幕から宿敵であるソフトバンクに3タテを食らうなど、ここまでの歩みは順調とは言えない。
中でも不安要素だった投手陣が苦しい戦いを強いられ、チーム防御率4.54はリーグワーストの成績。エースの菊池雄星がチームを去っただけでなく、昨季11勝を挙げた榎田大樹に加え、ドラフト1位ルーキーの松本航に、新加入のベテラン左腕・内海哲也といったローテーション候補が開幕前に相次いで離脱。ブルペン陣も昨季シーズン途中加入からストッパーの座を射止めたデュアンテ・ヒースが乱調で二軍調整となるなど、出だしから前も後ろも非常事態に陥った。
そんな中、投手陣の救世主となるかもしれない男が2019年の“開幕”を迎える。25日の予告先発として公示された高卒7年目24歳・相内誠だ。
千葉国際高から2012年のドラフト2位で西武に入団した右腕。すらっとした体格と力強い速球から「房総のダルビッシュ」として注目を浴び、甲子園出場経験がない中でも高い評価を受けていた。
ところが、プロ入りから昨季までの6年間で一軍での勝利は0。入団直後には無免許運転でのスピード違反や未成年飲酒・喫煙といった私生活でのトラブルもあって順調なステップを踏むことができなかったが、昨季はリリーフを中心にキャリア最多の10試合に登板。待望のプロ初勝利を挙げることはできなかったものの、遠回りをしながらも着実に階段を登っている。
ファームで圧巻の投球、一軍でも…
迎えた2019年。オープン戦では2試合の登板で勝ち負けなしの防御率4.76という成績で開幕一軍枠を掴むことはできなかったが、ファームではここまで3試合に登板して2勝負けなし、防御率0.90という驚異的な成績を残している。
特にここ2戦の内容が圧巻で、4月9日(火)に横須賀で行われたDeNA戦では序盤に2点を失ったものの、3回以降は相手を寄せ付けない凄まじい投球を披露。7回を投げて被安打2、11奪三振で2失点(自責は1)という好投で今季初勝利を挙げる。
すると、4月16日(火)にメットライフドームで行われたヤクルト戦でも6回を投げて2安打、5奪三振で無失点の快投を披露。2戦連続のナイスピッチングで2連勝を挙げ、一軍登板のチャンスを手繰り寄せた。
西武は24日の試合でも、プロ4年目の本田圭佑が自身の誕生日に花を添える今季2勝目を挙げており、ほかにも今井達也や高橋光成といった若い力が必死でローテーションを埋めようと奮闘を見せている。
相内もこの流れに乗って、チームを助けることができるだろうか。天気も心配されるが、24歳右腕の奮闘に注目だ。