ニュース 2019.08.06. 21:45

101回目の夏を彩る注目選手たち:奥川恭伸(星稜)

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星稜・奥川=甲子園 (C)Kyodo News

唯一の四天王


 “令和最初”の夏の甲子園、『第101回全国高等学校野球選手権大会』が8月6日に開幕。今大会注目の選手たちをピックアップする『101回目の夏を彩る注目選手たち』で今回取り上げるのは、大会2日目となる8月7日の第3試合に登場する“名門”星稜(石川)のエースで、高校“四天王”の一角でもある奥川恭伸投手だ。

▼ 奥川恭伸(星稜/石川)
3年 投手 183cm・84kg 右投右打

 大会No.1の呼び声高い本格派右腕。佐々木朗希(大船渡)、西純矢(創志学園)、及川雅貴(横浜)と注目投手が地方大会で相次いで姿を消すなか、4季連続の甲子園出場を勝ち取った。

 しかし、この夏は決して順風満帆だったわけではない。準決勝の鵬学園戦では7回途中からリリーフで登板するも、一時は逆転を許す苦しい展開から自らの2打席連続ホームランで辛勝。決勝の小松大谷戦も2本のホームランを浴びて8回までは2対2の同点だったが、9回表に東海林航介の満塁ホームランが飛び出して何とか逃げ切った。

 昨年秋の時点から完成度では高校No.1と評価されているが、それに甘んじることなく、この夏もしっかりスケールアップしてきた印象を受ける。この夏の初登板となった対金沢大付戦では、これまでの最速を大きく更新する158キロをマークし、6者連続三振という圧巻のピッチングも見せた。

 奥川の良さは、全てのボールを高いレベルでコントロールできるところ。この夏も24回を投げて与えた四死球はわずかに「3」と、制球面で苦しむ姿はほとんど見られない。準々決勝の対遊学館戦では、109球で13奪三振。決勝の小松大谷戦でも、114球で14奪三振という数字が示すように、無駄なボール球を使わずに三振が奪えるというのも得難い長所だ。

 昨年の夏、今年の選抜と、悔しい負け方が続いているだけに、自身4回目の出場となる甲子園では、さらに進化した姿を見せてくれることに期待したい。

▼ 地方大会の成績
4試合 24回 被安打16 奪三振40 与四死球3 5失点

▼ 第2日・8月7日(水)
第3試合:星稜(石川)- 旭川大(北北海道)<13:00>


文=西尾典文(にしお・のりふみ)
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