ロッテ浦和球場で自主トレする理由
「シーズンのことだけですね。シーズンで結果を残すために、何をするか考えてやっています」。
プロ5年目を迎えるロッテの平沢大河は、今季に向けてロッテ浦和球場で汗を流している。
平沢はプロ入り後、シーズンオフはロッテ浦和球場でトレーニングすることが多い。今年も室内練習場で朝早くからマシンを相手にひたすら打ち込む姿を何度も目にしている。
毎年、ロッテ浦和球場で自主トレをする理由について平沢は「自分のやることができますし、自分でいろいろと考えてやれているので、そこは良いのかなと思います」と説明する。
同じく1年目のオフから毎年ロッテ浦和球場で練習している三木亮も2019年1月の取材で、「暖かいところにいこうが、ここの環境が一番練習できると思っている。室内に行けばマシンもありますし、土のグラウンドでノックを受けられる。さらに、ランニングも問題なくこなせる。(温暖なところに)行く必要性を特に感じない」と話していた。
合同で自主トレとなると、他の選手に合わせて練習しなければならないため、待ち時間も発生する。平沢は「自分一人でやった方が効率よくできますし、そこは良いと思ってやっていますね。また、良い悪いはないですけど、僕の中でやりたいことができているので、そこは良いのかなと思います」と話した。
このオフも、昨年から取り組んでいる体の内側を意識して打つことを継続して打撃練習を行っている。
ショートを争うライバルに
今季は平沢と同学年の大学を卒業した選手たちが、プロ入りしてきた。ロッテでいえばドラフト2位・佐藤都志也(東洋大)、同3位・高部瑛斗(国士舘大)、同5位・福田光輝(法政大)、育成1位・本前郁也(北翔大)、育成2位・植田将太(慶応大)と5人の同学年の選手が入ってきた。5位の福田は同じ右投げ、左打ち、ポジションも同じショートだ。
さらにいえば、17年が藤岡裕大、18年が松田進と毎年、ショートの選手がプロ入りしてきている。「ライバルが入ってくるのは毎年そうなので、負けないようにしないといけないと思います」と平沢。多くは語らないが、この現状を打破し、レギュラーを掴みたいという思いは強い。
朝、ロッテ浦和球場の室内練習場にいけば、『パチン』と置きティーしている日があれば、『カーン、カーン』とマシンを相手に打ち込んでいる日もある。さらに別の日も、夕方に室内練習場で黙々とバットを振っている姿を見た。室内練習場にいけば、必ずといっていいほど平沢がバットを振っている。
勝負の5年目。2月1日に始まる春季キャンプの一、二軍振り分けで二軍スタートとなった。ドラフト1位ルーキー・最速163キロ右腕の佐々木朗希(大船渡高)に注目が集まっているが、マリーンズファンは平沢が一軍の舞台で活躍することを期待している。“結果”でファンの期待に応えていきたいところだ。
取材・文=岩下雄太