「負けないように頑張りたい」
昨季、リリーフ陣に課題を残したロッテは今季に向けて、ジャクソン、ハーマンと日本で実績のあるリリーフ陣を補強。ロングリリーフ、左のワンポイントなど、昨季は様々な局面で登板したロッテのチェン・グァンユウも、再び外国人枠の争い、中継ぎのポジション争いに臨み、自らの居場所を勝ちとりにいく覚悟だ。
マリーンズの外国人は、チェン、ジャクソン、ハーマンに加え、昨季からプレーする野手のレアード、マーティンと、支配下登録枠の外国人選手は5人。セットアッパー候補として期待されたジャクソンは、『左大腿二頭筋肉離れ』と診断されたが、外国人の一軍登録4枠を巡る熾烈な競争が予想される。また、育成選手には、サントス、アコスタ、フローレスといった選手も控えている状況だ。
一軍の外国人枠争いについてチェンは、「もちろん、みんなチームのためにやっている」と話したうえで、「競争はすごく良い。でも負けるつもりはない。ここから負けないように頑張りたい」と力を込めた。
昨季は様々な場面でマウンドに上がったチェンだが、「外国人で勝ちパターンで投げられなければ、助っ人ではない」とキッパリ。取材中はおだやかな表情で話していたチェンだが、昨季に比べると言葉のひとつひとつに強い覚悟、自信を感じ取ることができた。チェン本人も「今年、めっちゃ自信あります。体の状態も良いよ」と話す。
楽天・宋家豪らと自主トレ
「自信がある」という言葉からも、ここまでのトレーニングが充実していたことがうかがえる。昨季のオフは元中日のチェン・ウェインと自主トレを積んできたが、今オフは同じ施設で練習をしながらも、楽天の宋家豪(ソン・チャーホウ)、阪神の呂彦青(ル・イェンチン)といった投手たちと行った。
自主トレではウエイトトレーニングをメインに取り組み、「パワーをもらえたっす」「すごくいい感じ」と手ごたえを感じている様子。去年から練習内容を変えたところはないとのことだが、「瞬発系のウエイトトレーニングを重視し、すごく勉強しました」と笑顔を見せ、「スピードが上がるかもしれない」と球速アップに繋がる可能性も示した。
昨年は前半戦が終了した時点で18年を上回る25試合に登板し、34回1/3を投げて防御率2.36の成績を残したが、疲れが見え始めた8月に3試合連続失点するなど、夏場は不安定な投球が目立った。しかしチェンは、「1回経験して、もう1回失敗したら、プロ野球選手としてダメ。ちゃんと投げられるように頑張りたい」と決意。
ジャクソン、ハーマンが加入したが、今季も貴重なサウスポーとして活躍に期待がかかる。「(昨年)この成績では、チームにあまり貢献していないから、45試合以上投げて、優勝に貢献できる選手になれるように頑張りたい」。競争に勝ち、目標である“勝ちパターン”に食い込みたいところだ。
取材・文=岩下雄太