ソフトバンク相手に攻守に躍動!
ロッテの福田秀平選手(31)が25日、宮崎県宮崎市のアイビースタジアムで行われた『球春みやざきベースボールゲームズ』のソフトバンク戦に「3番・中堅」で先発出場。打っては2打数1安打、1四球に盗塁も1つ決め、守りでも安打性の当たりをアウトにするなど、古巣を相手に攻守で存在感を発揮した。
慣れ親しんだユニフォームを着た選手たちを前に、“敵”としてバッターボックスに立ったロッテの背番号「7」。第1打席はベテラン左腕・和田毅との対戦になるも、打ち気を抑えてしっかりとボールを選別し、最後は四球をゲット。まずは出塁という仕事を果たす。
第2打席では外野フライに倒れたものの、第3打席ではソフトバンクの守護神・森唯斗から、甘く入った変化球をライトへと弾き返すクリーンヒット。さらに盗塁も決めて見せるなど、この日は2打数1安打・1四球に盗塁がひとつ。順調な仕上がりぶりをアピールした。
また、この日は守備でも魅せる。初回、ソフトバンクの韋駄天・周東佑京が弾き返したセンター前への打球を、思い切り前進しながらランニングキャッチ。出すと厄介な快足の安打を摘み取り、アウトをもぎ取るビッグプレー。随所に持ち味を発揮して見せ、攻守に渡って躍動した。
古巣ファンから拍手も
福田は多摩大聖ヶ丘高から2006年のドラフト1位でプロ入りした14年目の外野手。アグレッシブなプレーが持ち味で、俊足とそれを活かした広大な守備範囲が最大の魅力。巨大戦力を誇るソフトバンクではなかなか定位置獲得に至らなかったが、昨季も攻守の切り札として一軍で80試合に出場。183打席でキャリア最多の9本塁打をマークするなど、打撃面でも成長の跡を見せる。
ポストシーズンでも活躍を見せると、その評価はさらに向上。「レギュラーで戦いたい」という想いから、悩みぬいた末に手にしたFA権の行使を決断すると、複数球団が獲得に乗り出す争奪戦に。最終的には、プロ入り後の“恩師”と慕う鳥越裕介ヘッドコーチの所属するロッテへの移籍を選んだ。
とはいえ、古巣への愛も相当なもので、移籍を決断した際にも、自身のブログでホークスへの感謝を長文で綴りつつ、「最後まで大好きな福岡という街、プロ野球選手として育てていただいたホークスを離れることについては迷いに迷っていましたが、プロ野球選手として、また引退後の長い人生をトータルで考えた時に新しい環境に身を置き努力することで、より一層の自分の成長が期待できるのではないかと思い、決断しました」と、その決断に至るまでの経緯を丁寧に説明。そんな背景もあり、福田の好プレーに球場のソフトバンクファンから拍手が送られるというシーンも見られた。
ロッテの外野争いは例年以上に激しくなっているが、やはりその中でも福田は光るものを見せてきた。FA戦士というプレッシャーに負けることなく、このまま開幕を迎えることができれば、きっと3月20日のラインナップには「福田秀平」の名前が入っていることだろう。
大きな期待を背に、プロ14年目を新天地で迎える男の戦いから目が離せない。
文=尾崎直也