外野のレギュラー争いが激化
FAでソフトバンクから福田秀平が加入。ロッテの外野のレギュラー争いは例年以上に熾烈になった。
期待のFA戦士に加え、昨季リーグ3位の打率.315をマークした荻野貴司に、昨季途中加入ながら14ホーマーを放ったマーティン、2度の首位打者経験を持つ角中勝也や勝負強い打撃が魅力の清田育宏、さらには実戦で藤原恭大、菅野剛士といったところも猛アピールを続けている。
そんななか、レギュラー奪取に向けて存在感を放っているのが、マリーンズ移籍3年目を迎える岡大海だ。
2月25日のソフトバンクとの練習試合では守備から途中出場し、8回に回ってきたこの日最初の打席でライト前に適時打。翌26日のソフトバンクとの練習試合でも、代走からの出場で第1打席に右安を放つと、第2打席でも中安とマルチ安打をマークした。
ここまでの対外試合は9試合に出場し、打率.381(21打数8安打)、1本塁打に5打点としっかりと結果を残している。
打率を意識
昨年は足を上げて打ったり、時には足を上げずに打ったりと、その日に合う形で打っていた。
秋季練習の際、来る2020年シーズンに向けて、打撃フォームの統一について聞いて見ると、「毎日同じ形で打てればいいですけど、そういうのは難しいので、引き出しを増やして、その日その日ベストな形で臨んでいければ。そのためにこのオフ、しっかり引き出しを増やしたいと思います」という答えが返ってきた。
年が明け、迎えた春季キャンプ。岡と再び言葉を交わす機会があったので、オフの取り組みについて聞いてみると、「一番はやっぱり去年も打率はよくなかったですし、長打も少ない部分があった」という昨季の反省点を踏まえ、「どうにか長打を増やすために、バットの軌道であったりとか、そういうのをどんどん取り組んでいかないといけないなと思って取り組んできました。まだまだ打率が低いので、そこも求めていかないといけないと思います」と教えてくれた。
FA戦士の加入に若手の台頭、外野の争いはさらに激しさを増しているが、「人を意識してもしょうがないですし、僕自身ができることを精一杯やって、勝ち取れたらいい」と岡。「僕自身、走らなきゃいけないというのもありますし、大前提に打率、OPSをどんどん上げていきたいと思います」と、まずは相手よりも自分のことを強調。打撃面のレベルアップでレギュラー獲りに挑む覚悟を述べる。
昨季は試合終盤の代走で存在感を発揮するシーンが目立ったが、試合前の打撃練習では井上晴哉、レアードといった主砲に負けないような長打力を発揮する場面も多々見られた。左打者が多い外野陣において、パンチ力のある右の外野は貴重な存在であることは間違いない。
確実性を上げて、バットでアピールを。注目を集めるロッテの外野争い、岡大海の名前を忘れてはいけない。
取材・文=岩下雄太