ニュース 2020.03.04. 12:30

根尾・小園よりも開幕スタメンに近い?ミレニアム世代内野手の“隠し玉”

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逸材揃いの“ミレニアム世代”


 2018年、夏──。甲子園は第100回の記念大会を迎え、また“平成最後の夏”という観点からも話題に。大阪桐蔭の春夏連覇という形で幕を閉じる大会では、多くのニュースターも誕生。例年以上に高校野球が盛り上がった年となった。

 その勢いは季節が秋に移っても衰えることはなく、ドラフト会議ではその高校球界を盛り上げたスターたちに指名が集中。1巡目の指名では根尾昂(大阪桐蔭→中日)と小園海斗(報徳学園→広島)に4球団、藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)に3球団が競合。西武を除く11球団が高校生の逸材に手を挙げた。

 その後の“ハズレ1位”でも、吉田輝星(金足農→日本ハム)に太田椋(天理→オリックス)という高校生の名前が挙がり、計5名がドラフト1位でプロの世界へ。うち4名が野手だったということもあり、さすがに1年目からレギュラーでバリバリ活躍する選手は出なかったものの、小園はシーズン途中から一軍に定着して計58試合に出場。藤原も一軍定着とはならなかったが、球団54年ぶりの高卒野手開幕スタメンの快挙を成し遂げ、根尾もファームで108試合に出場するなど、それぞれが1年目からしっかりと経験を積んでいる。

 早生まれの子は例外も、多くが2000年生まれということから「ミレニアム世代」とも呼ばれ、将来の球界を背負って立つことが期待される今年の高卒2年目の選手たち。やはり注目度で言えば根尾や小園、藤原というところがキャンプから目立っていたが、ここに来てその“ドラ1”たちに負けず劣らずの存在感を放っている男がいる。

 男の名は宜保翔(ぎぼ・しょう)。2018年のドラフト5位でオリックスに入団した選手だ。


出場4試合連続安打中!


 未来沖縄高という新鋭の学校からドラフトにかかった男は、175センチ・72キロと決して恵まれた体格ではないものの、両親ともにバレーボール選手でお母さんは国体選手だったというDNAをしっかりと受け継ぎ、その抜群の身体能力を武器に投手兼遊撃手として活躍。甲子園出場など、大舞台に出てくることはなかったが、ドラフト前には“隠し玉候補”として注目を集めるまでになり、オリックスから5位で指名を受ける。

 同じ高卒内野手の太田椋がドラフト1位で入ってきたこともあって、なかなか宜保にスポットが当たる機会というのは少なかったものの、太田が開幕前の骨折で離脱を強いられたなか、宜保は1年目からファームのレギュラーに定着。大きな故障もなくシーズンを走り抜き、ウエスタンのルーキーとしては最多となる111試合に出場を果たした。

 それだけでなく、ファームで経験を多くの経験を積みながら、シーズン終盤には一軍の舞台も経験。8試合に出場してプロ初安打も放ち、打率.231(26-6)をマークするなど、上のステージで成長の跡も見せ、良い形でルーキーイヤーを締めくくっている。


 そして迎えたプロ2年目の春。オープン戦はスタメンのチャンスこそなかったものの、守備からの途中出場で初出場となった2月23日のソフトバンク戦、その初打席でソフトバンクの育成右腕・尾形崇斗から安打を放って見せると、29日の日本ハム戦も途中出場から巡ってきた打席で安打をマーク。少ないチャンスをモノにしてみせる。

 すると、翌3月1日の試合では「1番・遊撃」に抜擢。3打席目に杉浦稔大から二塁打を放つと、つづく第4打席でも杉浦からライトへの安打。つづけて1番でスタメン起用された3日のロッテ戦でも、第2打席でセンターオーバーの二塁打。ロッテ先発・石川歩の武器であるシンカーを見事に打ち返すなど、状態の良さをアピールしている。


課題は守備の改善


 チームの二塁にはキャプテンの福田周平、遊撃にはベテランの安達了一という高い壁がおり、ほかにも西野真弘や大城滉二ら、ライバルとなる先輩の存在は多い。それでも、この時期までオープン戦で出場の機会を与えられているということは、首脳陣も宜保の勢いに期待する面が大いにあるということだろう。

 競争に勝って開幕一軍生き残り、開幕スタメンに入っていくために…。宜保はこのままアピールを続けるしかない。そのなかで、課題に挙げられるのが“守備”だ。

 昨季もファームで111試合に出場したなか、二塁でリーグ最多の14失策を記録。遊撃でも6つの失策を喫しているように、守備での正確性、特に送球の改善というのはレギュラーを目指すうえでは必須の課題になる。


 3日の試合でも、初回に1点を失った直後の一死一・三塁というピンチでこんなシーンがあった。

 先発の山本由伸がブランドン・レアードを三ゴロに打ち取り、サードからセカンドベースカバーの宜保にボールが渡って二死。その送球をしっかりと受けた宜保は、そのまま流れるように一塁へとボールを転送していくも、放たれた送球は一塁手の遥か頭上を通り抜けていく大暴投。ゲッツーでチェンジとなるはずが三塁走者の生還を許し、バッターランナーのレアードも二塁に進めてしまうという失態を犯している。

 いくら打撃の調子が良くても、やはり守備に不安を抱えていてはなかなかフル出場のチャンスは巡ってこない。逆に言えばこの課題さえクリアできれば、宜保が3月20日の開幕戦でラインナップに名を連ねていても不思議ではない。

 バットの好調を維持しつつ、守備面でもアピールしていくことができるか。開幕まで約2週間、宜保にとって勝負の期間になる。


文=尾崎直也


宜保翔・オープン戦成績


▼ 2月23日(日) vs.ソフトバンク(SOKKEN)
※守備から途中出場

中安
───
[通算] 率1.000(1-1) 本0 点0


▼ 2月29日(土) vs.日本ハム(札幌ドーム)
※守備から途中出場

右安
───
[通算] 率1.000(2-2) 本0 点0


▼ 3月1日(日) vs.日本ハム(札幌ドーム)
「1番・遊撃」でスタメン出場

① 遊ゴ
② 投犠打
右二
右安
⑤ 二ゴ
───
[通算] 率.667(6-4) 本0 点0


▼ 3月3日(火) vs.ロッテ(京セラドーム大阪)
「1番・二塁」でスタメン出場

① 遊ゴ
中二
③ 一直
───
[通算] 率.556(9-5) 本0 点0

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