フォーカス・レコードホルダー ~番外編~
「新型コロナウイルス」の問題で未だ開幕の見通しが立っていないプロ野球。前に進むことができない今こそ、過去の偉大な記録にフォーカスを当てて振り返ってみよう……ということで始まった『フォーカス・レコードホルダー』という企画。
その名の通り、過去の記録にスポットを当て、“歴代No.1”の記録を持っている選手を中心に振り返ろう、というのがテーマ。日本プロ野球における様々な「通算記録」「シーズン記録」を紹介してきた。
ここでは“番外編”として、現役選手たちの記録に注目。2020年現在、今なお現役でプレーしている選手たちの「No.1あれこれ」を見ていきたい。今回は、野手の主要な記録・その2。なお、ここで扱う記録はすべて「NPB通算」のもの。MLBでの出場歴がある選手の記録も、すべて“NPB単独”での成績となる。
内川は歴代でも22位
▼ 通算安打(現役選手)・トップ5
1位 2171本 内川聖一(ソフトバンク)
2位 2085本 鳥谷 敬(ロッテ)
3位 1897本 福留孝介(阪神)
4位 1884本 坂本勇人(巨人)
5位 1825本 栗山 巧(西武)
2020年の現役最多安打選手は、ソフトバンクの内川聖一。通算2171安打は歴代でも22位という記録である。
ここ3シーズンは故障にも悩まされて打率3割に届かず、安打数も伸び悩むシーズンが続いているものの、今年の8月で38歳とユニフォームを脱ぐにはまだ早い。歴代トップ10のボーダーは「2452」、少なくともここまでは目指してもらいたい。
また、2000安打の大台が近づいているのが3人。福留孝介は日米通算ですでに大台超えを果たしているものの、本人もNPB単独での達成に意欲的なコメントを残している。
巨人の坂本勇人は31歳の若さで大記録目前。榎本喜八が持つ2000本安打の最年少記録「31歳7カ月と16日」の更新にも大きな期待がかかっていた。ところが、待っていたのはまさかの“開幕延期”…。7月29日までに116安打を放つ必要があるが、6月中に開幕ができるかどうか…という現状では絶望的だろう。ただただ、コロナが憎い。
“元投手”から盗塁王へ
▼ 通算盗塁(現役選手)・トップ5
1位 297個 糸井嘉男(阪神)
2位 245個 西川遥輝(日本ハム)
3位 217個 大島洋平(中日)
4位 201個 荻野貴司(ロッテ)
5位 195個 金子侑司(西武)
現役選手における盗塁数トップは阪神の糸井嘉男。かつて投手としてドラフト自由枠で入団した男が、脚力で現役No.1の座に就いている。
盗塁王の獲得歴は2016年の1度きりも、その年はシーズン53と走りまくって西武・金子侑司とともにタイトルを獲得。バッティングと強肩が注目を集めがちだが、キャリアで30盗塁以上が4度と印象以上に盗塁を記録している。
その糸井を猛追するのが、日本ハムの西川遥輝と西武の金子侑司。西川は9年、金子は8年でこれだけの盗塁数を積み上げており、ともに2010年代後半の盗塁王争いを賑わせてきた選手だ。
故障などなければ、今後もパ・リーグのタイトルレースを牽引していくであろう2人。切磋琢磨してどこまで盗塁の数を積み上げていけるか、今後も目が離せない。
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※お詫びと訂正(2020年5月18日18時00分)
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初出時、鳥谷敬選手の所属が「阪神」となっておりましたが、正しくは「ロッテ」です。
大変失礼いたしました。お詫びして訂正いたします。