カーブを改良
ロッテの石垣島春季キャンプの投手の練習メニュー表に、『自分の特長を知る!』と書かれている。
星槎道都大からドラフト4位でロッテに入団した河村説人は、自身の特長について「ストレートのスピンが綺麗なので、落ちない球もひとつそうです。また、角度があるので、フォークやカーブ、上下に目線が使えると思うので、そこは武器かなと思います」と丁寧に説明してくれた。
この春季キャンプのブルペンでは、力まずにフォームのバランスを意識して、変化球のフィーリングを確かめながら投げている。
「投げている球であったり、みなさんすごいので自分も力を入れて投げたら、前回のブルペンでは力んでしまった。ちょっと焦ってしまった部分もある」と話したが、この日は「力むことなく自分のペースで投げられたと思います」としっかりと修正しブルペンで48球を投げ込んだ。
いろいろな捕手にボールを受けてもらう中で、捕手陣からは「すごく良いなと言ってもらえることが多かったです」と“カーブ”を絶賛されたという。
そのカーブは「大学を卒業してちょっと改良して、それが今ハマって良い感じです」と話す。具体的には「握り、指の使い方も含めてですけど、全体的に全く違う速いようなカーブを投げています」とのことだ。
河村は絶賛されたカーブをはじめ、フォーク、スライダー、カットボールといった変化球を持っているが、本人のなかでは「フォークボールは、プロのレベルで見た時に通用するボールじゃないかなと思っています」と自信を持つ。
捕手陣からも落差について、評価されることもあるという。ただ、本人は「精度が良くないので、そこは高めていきたいと思います」と改善していく考えを示した。
特徴的な投球フォームで球速が6キロアップ
身長192センチの河村は、「下半身が下に潰れないように意識して、高い位置で投げようと思っています」と、上体が高い投球フォームが特徴的。
大学2年生のときに球速が出る投げ方を調べ、色々と意識が変わったという。その中で、「力の使い方、伝え方を考えた時に、沈み込みすぎないフォームの方が力が伝わるので、結果的にそういうフォームになっていきました」と現在の投球フォームに至った。
「身長が高い分、体をうまく使えればスピードが出ると思った」と、ウエイトトレーニングをはじめ、イチローさんが現役時代にやっていた初動負荷のトレーニングなどを練習に取り入れた。
ストレートの球速は高校時代から6キロ上がり、現在は最速150キロ。「プロで投げ抜くためにはスピードもキレも足りないと思っているので、そこを第一にやっていきたいと思います」。さらなる球速アップを目指している。
また、走者がいないときはノーワインドアップで投げていたこともあったが、大学4年からは「体の使い方が自分のなかでうまくいきやすい」との理由で、セットポジションからの投球となっている。
春季キャンプがはじまったばかりだが、2週間後には練習試合が始まっている。「一軍キャンプに選ばれたので、そういう目で見られていると思う。紅白戦、練習試合で、一軍で通用する球を投げたいと思っています」。そのなかでも「まずは抑えることが一番」と結果でアピールしていくつもりだ。
取材・文=岩下雄太