春のセンバツ・この選手に注目!
新型コロナウイルスの影響によるまさかの中止から1年…。今年は3月19日に開幕予定となっている『第93回選抜高等学校野球大会』。23日にはオンライン形式の組み合わせ抽選会が実施され、1回戦の対戦カードが決定した。
いよいよ迫ってきた春の大舞台。ベースボールキングでは、公式YouTubeチャンネルで公開しているアマチュア野球特化企画「みんなのドラフト」にて、センバツに向けた特集を展開中。
今回はスカイAのドラフト中継でもお馴染みのスポーツライター・西尾典文氏に、今大会で特に注目を集める投手をピックアップして紹介してもらった。
今秋の目玉候補が聖地へ
▼ 小園健太(市和歌山)
・投手
・右投右打
西尾氏が「今大会のNo.1注目選手じゃないですかね」と語るのがこの選手。「2年の夏からかなり評判になっていた投手ですし、とにかく完成度が高い投手という印象です」と言う。
高卒でのプロ入り希望も表明しており、年明けから多くの球団のスカウトが視察に訪れている注目株。「なんと表現して良いか難しいですが、“大人っぽい”投手ですかね。150キロを超えるまっすぐがありながら、力感なく140キロ台中盤から後半のスピードを出すことができて、変化球も交えながら、目の前の相手を打ち取るための最善の手を考えながら投げることができる」と、西尾氏は高校生離れした“マウンドさばき”をストロングポイントに挙げた。
市和歌山の初戦は大会4日目・3月22日(月)、第1試合で県岐阜商(岐阜)と対戦。西尾氏が注目の野手で挙げた強打の捕手・高木翔斗との対決には特に注目だ。
愛知の名門にまた好投手
▼ 畔柳享丞(中京大中京)
・投手
・右投右打
2019年の明治神宮大会王者で、昨秋はエースの高橋宏斗が地元の中日から1位指名。この春のセンバツにも東海王者として出場する中京大中京に、またしてもプロ注目の投手が現れた。
昨年までは上述の高橋に加えて左の松島元希という強力な2枚看板を誇ったため、出番も限られていた右腕だが、西尾氏いわく「入学当初から注目を浴びていた投手でした」とのこと。故障もあって無理はさせず、新チームとなって満を持してベールを脱ぐと、昨年の愛知大会で最速151キロを計測してブレイク。「150キロというスピードもそうですが、マウンドでの躍動感がすごいですね。下半身がしっかりとしていて、ボールに力が乗っている印象です」と、その特徴を解説する。
激戦の東海大会を連覇した実力から、優勝候補の一角として注目を集める中京大中京。その初戦は、大会6日目・3月24日(水)、1回戦最後の対戦として、第1試合で専大松戸(千葉)と対戦。注目度では小園と双璧をなす、尾張の怪物候補からも目が離せない。
横綱の2枚看板
▼ 松浦慶斗(大阪桐蔭)
・投手
・左投左打
野手編でも4番・池田陵真の名前が挙がった大阪桐蔭だが、投手陣にも強力な2枚看板を擁する。
今大会は好投手が多く、厳選するのは困難だったという西尾氏。「センバツ出場校では北海に木村大成投手という好左腕もいますが、現時点での注目度の高さでは松浦かなと。180センチ中盤から後半という大きさでありながら、高校生左腕特有の荒さのようなものもあまり気になりません」と強みを挙げつつ、「その高さもありながら、左投手の特有の角度もあって、打者は相当打ちづらさを感じると思います」と付け加えた。
大阪桐蔭の初戦は大会4日目・3月22日(月)、第2試合で智弁学園(奈良)と対戦。昨秋の近畿大会・決勝の再現となるが、松浦はこの試合で先発して5回4失点。試合中に右肩を脱臼するアクシデントを受けながらの力投だったが、チームを勝利に導く投球はできなかった。その悔しさを大舞台で晴らすことができるか、ひと冬越えた成長にも期待したい。
2年夏に154キロを計測!
▼ 関戸康介(大阪桐蔭)
・投手
・右投右打
高校球界の横綱が誇るもう一人の注目投手。かつて「スーパー中学生」と話題を集めた男は、昨夏に世代最速“154キロ”を計測している。
「明徳義塾中から大阪桐蔭へ…ということでも話題となった選手ですが、実は高校では故障もあって出番は少なかったんですよね。それが昨夏の大阪府大会で154キロをマーク。やっぱり持っているものは凄まじいなと」と、西尾氏もそのポテンシャルに舌を巻く。
この関戸も昨秋の近畿大会・決勝戦で智弁学園を相手に登板したが、注目の打者でも取り上げた前川右京に直球をライトスタンドまで叩き込まれている。秋の悔しさをバネに、聖地でのリベンジなるか。こちらも注目だ。
☆協力:プロアマ野球研究所