◆ 日米野球で来日も

 5月中旬を迎え、メジャーリーグはシーズンの約4分の1を消化。

 現地時間16日のレッドソックス戦で逆転2ランを放ったエンゼルスの大谷翔平は、現在ア・リーグの本塁打争いトップに立っている。

 12本塁打で大谷と並んでいるのは、ヤンキースのアーロン・ジャッジとマリナーズのミッチ・ハニガーの2選手。

 ジャッジは新人王に輝いた2017年に52本塁打を放ち、タイトルを獲得、日本でもお馴染みの右の長距離砲だ。

 もう一人のハニガーは、マリナーズで菊池雄星のチームメートとして知られる。ハニガーもジャッジと同じ2017年シーズンにレギュラーに定着。その年は96試合に出場し、16本塁打を放つ活躍を見せた。

 ブレークを果たしたのは、翌18年のこと。

 157試合に出場し、初めて規定打席に到達。打率.285で26本塁打、93打点を記録し、自身初のオールスターにも選出。チームの中心打者として不動の地位を築いた。

 なお、その年のオフにはMLB選抜として日米野球で来日。開幕試合で4番を務めるなど、18打数4安打という成績を残している。

◆ 恐ろしいケガからの復活へ

 着実にスター選手への階段を上っていたハニガーに苦難が訪れたのは、2019年のシーズン半ばに差し掛かったころ。

 開幕から63試合に出場し、打率は.220と低迷。それでも15本塁打を放ち、シーズン30本塁打超えも視野に入っていたが、6月上旬のアストロズ戦でアクシデントに見舞われてしまう。

 自打球を股間に当て、試合途中で交代。診断結果は「睾丸破裂」という重傷だった。

 即座に故障者リスト入りし、結局シーズン中は復帰できず。コロナ禍で開幕が大幅にずれ込んだ昨季も、鼠径ヘルニアの手術などで、シーズンを棒に振った。

 それでも、昨年12月には第一子となる女児が誕生。満を持して迎えた今季、オープン戦で3本塁打を放ち、開幕戦は1番打者としてスタメンで出場した。

 4月に6本塁打を放つなど復活を印象付けると、5月は中旬を迎えた時点ですでに6本塁打。合計12本塁打でリーグ本塁打王争いに加わっている。

 まだ気は早いが、もしマリナーズの選手が本塁打王に輝ければ、1999年のケン・グリフィー・Jr以来、実に22年ぶりの快挙となる。

 ちなみに、22年前のマリナーズといえば、シーズン半ばの6月までは打者天国といわれたキングドームを本拠地としていた。その後、シーズン途中からセーフコ・フィールド(現T-モバイル・パーク)に移っている。

 投手有利と言われる現スタジアムでフルシーズンを戦うようになった2000年以降、マリナーズの選手が本塁打王に輝いたことはない。

 どん底から這い上がったハニガーは、大谷らとの本塁打王争いに最後まで加わることはできるだろうか。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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