セ・リーグ好発進も気づけば2勝差
2シーズンぶりに開催されている交流戦も、いよいよラストウィーク。新型コロナウイルスと天候不良の影響で未消化の試合もあるものの、ひとまずパ・リーグ本拠地で行われる今週の6連戦をもって『日本生命セ・パ交流戦2021』はフィナーレを迎える。
今年は12球団最多8度の優勝(勝率第1位)を誇るソフトバンクがつまずき、その王者を相手に勝ち越してきた中日とDeNAが7日終了時点で交流戦のワンツーを飾っている。セ・リーグでは借金返済に追われている2球団の躍進ぶりが、4カードを終えての大きなトピックとなっている。
ただ、セ・リーグ本拠地で行われた先週は、楽天が5連勝、オリックスが連続カード勝ち越しで星を伸ばし猛追。リーグ別の勝敗数もセ・リーグ32勝に対し、パ・リーグ30勝と、2019年まで10年連続で勝ち越してきたパ・リーグ勢がここにきて底力を見せ始めている。
特に残り2カードは指名打者制が採用されるパ・リーグの土俵で開催されるだけに、最後の最後まで優勝争いはもつれそうだ。
足りないピースの台頭待たれる
そんな優勝争いにも大きく影響しそうな今週最初の3連戦で注目したいのが、所沢はメットライフドームで開催されるDeNAと西武の3連戦だ。
DeNAはオースティンとソトの助っ人コンビを中心とした打線が好調で、下位打線で起用されている大和がオリックスの吉田正尚、楽天の島内宏明に次ぐ12打点をマークするなど大当たり。ラッキーボーイの登場もあって、交流戦の首位タイまで浮上してきた。
ただ、ビジターゲームでは9人目の野手を要する「指名打者制度」が採用されるのが気になる点。ホームゲームでは接戦を制して勝ちきってきたものの、敵地で行われた2カード目の楽天戦は1勝1敗1分。ソトと佐野恵太を指名打者にまわし、空いたポジションで起用した山下幸輝と細川成也が3戦合計で10打数1安打と不発に終わった。
交流戦に入ってからレギュラーメンバーには繋がりが出始めているだけに、残り試合では指名打者制によって空いた枠を埋めるラッキーボーイ的な打者の台頭を期待したいところ。今カードは改めてチームの底力が試される3連戦となりそうだ。
<DeNA>
今季の成績:19勝32敗8分 勝率.373(6位)
交流戦通算:146勝210敗10分 勝率.410
対西武:26勝32敗1分 勝率.448
我慢のホーム3連戦
一方、勢いづくDeNAをホームに迎える西武は、コロナ禍に見舞われた影響もあってスタートダッシュに失敗。3カード連続の負け越しで現在11位に沈んでいる。
それでも打線に関しては明るい材料も少なくない。2番・森友哉が全体2位の打率.432と絶好調で、なかなか状態が上がらなかった主砲・山川穂高は5日・ヤクルト戦で2打席連発3打点と復調気配。得点圏打率.600を誇る呉念庭がクリーンナップの後ろに控える打線は、怖さを感じる陣容になりつつある。
また、負傷離脱した若林楽人の代役として「1番」で起用されている岸潤一郎も、交流戦の規定打席未達ながら2本塁打を含む26打数10安打の打率.385、OPS1.061で猛アピール中。緊急事態に見舞われたチームの新・リードオフマンとして救世主的な働きを見せている。
あとは、広島に次いで12球団中ワースト2位の防御率5.75と苦しい台所事情の投手陣がどれだけ試合をつくれるか。このところは先発投手が十分なイニングを消化しきれず、中継ぎ陣の負担も増えているだけに、なんとか先発陣に粘りのゲームメイクを期待したい。
<西武>
今季の成績:21勝25敗11分 勝率.457(5位)
交流戦通算:179勝175敗10分 勝率.506
対DeNA:32勝26敗1分 勝率.552