◆ 復調を感じさせる「右にガツン」
阪神が雨中の対決を制してカード勝ち越し。
8回の一挙4得点で試合をひっくり返し、粘るヤクルトを振り切った。
2-3で迎えた8回表。相手のエラーからチャンスを作ると、二死一・三塁から梅野隆太郎の適時打で同点。土壇場で試合を振り出しに戻すと、続く打者は不振により7番に入る大山悠輔。
打席中に梅野が盗塁を決めて二・三塁とチャンスを拡げると、1ボール・1ストライクからの3球目。清水昇が投じた外寄りのまっすぐが少し浮いたところをジャストミート。
快音を残してライトへと上がった打球は、雨を切り裂いてそのままスタンドまで到達した。
同点で終わらず、3点のリードをもたらした起死回生の一発。その裏に2点を失って最終的には1点差ゲームとなっただけに、まさにチームを救う3ランとなった。
8日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した田尾安志氏は、このところの大山の状態について「外の変化球を引っ張ってしまうことが多かった」と不調の要因を分析。
つづけて、「きょう打ったのは外のまっすぐでしたが、悪い時は外のまっすぐも引っ張りに行っていた。それがやっとセンターより右へガツンですから。これでちょっと大山はノってくるかなという気がしますね」と語り、この一撃がキッカケに状態が上向くことを期待する。
直近は3番にサンズ、4番がマルテで5番にルーキーの佐藤輝明という並びになっている阪神だが、佐藤は7月に入って月間打率.192とこちらも不振気味。
田尾氏は「佐藤の内容があまりにも悪すぎて、5番はちょっと重荷かなと」とコメント。ルーキーを開幕時の定位置だった“6番”に戻すためにも、やはり大山の復調は欠かせない。
前半戦は残り6試合…。良い形で締めくくることができるかどうかは、9日からの巨人戦にかかってくる。復調気配の主砲がチームを首位ターンへと導くか、大山の打席から目が離せない。