西武・中村剛也選手

◆ 無駄な力感のない「らしい」一発

 どんな偉大なプレーヤーにも加齢による衰えは必ず訪れる。過去、6度の本塁打王タイトルを獲得した希代のホームランアーチスト・中村剛也(西武)も、後輩・山川穂高の台頭もあって近年は下位打線で起用されることも増え、昨季は打率.213、9本塁打、31打点という成績に終わった。

 しかし、今季の中村は再び輝きと存在感を取り戻している。8月22日のオリックス戦では、シーズン途中にして昨季を上回る10号本塁打をマーク。2シーズンぶりの2桁本塁打となった10号本塁打は、いかにも中村らしい一発だった。

 初回、先頭・外崎修汰からの3連打で無死満塁となり打席に立った4番・中村は、相手先発・山﨑福也が投じた初球のチェンジアップに反応。「これぞ中村」というような無駄な力感のないスイングから放たれた打球は、ゲーム序盤に試合の流れを大きく引き寄せる先制満塁弾となった。

◆ 通算本塁打のうち19.7本に1本が満塁本塁打

 これで中村が記録した満塁本塁打の通算本数は22本に到達し、自身が持つプロ野球記録を更新。この数字は、2位・王貞治(元巨人)の15本を大きく引き離すダントツの数字だ。ここで、歴代の通算本塁打ランキングを見てみる。

【歴代通算本塁打ランキング】
1位 中村剛也(西武)22本
2位 王 貞治(元巨人)15本
3位 藤井康雄(元オリックス)14本
3位 中村紀洋(元近鉄他)14本
5位 駒田徳広(元巨人他)13本
5位 江藤 智(元広島他)13本
5位 小久保裕紀(元ダイエー他)13本
5位 井口資仁(元ダイエー他)13本

 868本という通算本塁打数を誇る王をこれだけ引き離していることからもわかるように、中村の通算本塁打数全体に占める満塁本塁打の割合はかなり高い。その数字は19.7本に1本。対して王は57.9本に1本である。先のランキングのなかで中村をしのぐのは、15.0本に1本という驚異的な記録を残している「満塁男」駒田徳広(元巨人他)の他、19.3本に1本の井口資仁(元ダイエー他)のみだ。

 今季、ここまでの中村の成績は打率.279、10本塁打、48打点。全盛期の中村を思えばやや物足りない数字かもしれないが、打点はチーム内トップを記録するなど、好機では勝負強い打撃を見せている。プロ20年目にして昨季の不振から打撃成績を再び向上させる姿には、ひいき球団を問わず野球ファンなら誰もがエールを送りたくなる。

 今季、西武の残り試合数は49試合。満塁の場面で打席に立つ中村に要注目だ。

※数字は8月22日終了時点

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

【清家茂樹・プロフィール】
1975年、愛媛県生まれ。出版社勤務を経て2012年独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。野球好きが高じてニコニコ生放送『愛甲猛の激ヤバトーク 野良犬の穴』にも出演中。

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清家茂樹

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