「とらせてあげたい」与田竜は全面サポートの姿勢
ペナントレース同様、タイトルレースも最終盤に突入。12日は最多勝争いを引っ張る3人の投手が先発し、九里亜蓮(広島)と青柳晃洋(阪神)がリーグトップの12勝目、柳裕也(中日)が1差につける11勝目を手にした。
九里はDeNA打線を相手に序盤こそ3四死球で塁上を賑わせたが、味方の失策にも動じない堂々たるマウンドさばきで、終わってみれば7回1安打無失点の快投。一足先にハーラーダービーのトップに立ち、試合後には「なんとかとれるように頑張りたい」と、自身初のタイトルへの思いを口にした。
試合前の時点で髙橋優貴(巨人)、九里と11勝で並んでいた青柳は、敵地・東京ドームでの“伝統の一戦”で7回6安打1失点の好投。1点リードの7回には三塁で起用されたドラ1ルーキー・佐藤輝明のエラーが絡んでピンチを迎えるも、後続を断ちガッツポーズ。熾烈な首位争いを演じるチームにとっても大きな意味を持つ今季12勝目となった。
そして、この2人を1差で追いかけているのが、投手タイトル独占の可能性もある中日の柳。首位・ヤクルトを本拠地に迎えた一戦で、この日も打線の援護には恵まれなかったが、8イニング・113球を投げて7安打2失点の粘投。味方打線が8回裏に待望の勝ち越し点を奪い、最多勝獲得への望みを繋ぐリーグ2位タイの11勝目を掴んだ。
今季の柳は12日終了時点でリーグダントツの防御率2.12、奪三振167をマークしており、勝利数と勝率でもリーグ2位の好成績。現状の試合日程では、九里と青柳がこれまで通りの登板間隔で最低2試合に登板することが可能な一方で、柳に2度の登板機会を確保するためには中4日での登板など異例の調整が求められるが、与田剛監督は「とれるものは全てとらせてあげたい」と試合後にコメント。タイトル奪取へ全面サポートの姿勢を示した。
柳と11勝で並ぶ髙橋を含め、誰が最多勝をとっても初の個人タイトル。シーズン最終盤までもつれたハーラーダービーは最後の最後まで目が離せない。
セ・投手タイトル争い
▼ 勝利数
12勝 青柳晃洋(神)
12勝 九里亜蓮(広)
11勝 柳 裕也(中)
11勝 髙橋優貴(巨)
10勝 秋山拓巳(神)
▼ 防御率
2.12 柳 裕也(中)
2.63 青柳晃洋(神)
2.90 森下暢仁(広)
▼ 奪三振
167個 柳 裕也(中)
135個 戸郷翔征(巨)
119個 森下暢仁(広)
▼ 勝率
.706 青柳晃洋(神)
.688 柳 裕也(中)
.579 髙橋優貴(巨)