ニュース 2021.11.17. 08:00

“絶えず優勝争い”するために必要な若手の成長 ロッテの育成ビジョンとは…

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左からロッテの藤原恭大、山口航輝、安田尚憲

「若手の育成を継続」


「チームとしては絶えず優勝争いに絡んでくるチーム。当然、若手の育成を継続してやらなければいけない」。

 2019年12月26日に行われた年間の総括会見でロッテの河合克美オーナー代行兼社長は、このように話していた。あれから2シーズンが経過し、20年、21年シーズンともにリーグ2位に入った。打線は荻野貴司、中村奨吾、マーティン、レアードが引っ張り、投手陣は今季大卒3年目の小島和哉がシーズン自己最多の10勝、佐々木千隼がリリーフでブレイクした。

 若手選手に目を向けると、高卒4年目の安田尚憲は春先一時打点リーグトップを記録すれば、高卒3年目の藤原恭大は7・8月度の月間MVPに輝いた。藤原と同じ高卒3年目の山口航輝は今季、一軍デビューを飾り9本のアーチを描いた。

 投手陣も高卒2年目の佐々木朗希が東京五輪明けに限ると、6試合・37イニングを投げて、イニング数を上回る44奪三振、2勝0敗、防御率1.22という圧倒的な投球を見せた。小島と同じ25歳の岩下大輝がシーズン自己最多の8勝、東妻勇輔と小野郁もシーズン自己最多の登板数。大卒ルーキーの河村説人も4勝を挙げ、投手、野手ともに若手選手が一軍で活躍し始めている。

 あの総括会見から2年のシーズンを終えて、河合オーナー代行兼社長に「“絶えず優勝争い”をするため、若手育成が徐々に成果として出てきていると思いますが、どのように感じていますか?」という質問をぶつけた。

 河合オーナー代行兼社長は「そういう意味でいうと、どのポジションも、ものすごく厳しくなっていると思います。そう簡単には一軍の試合には出られない。レギュラーでずっといるには、相当の競争を勝ち抜かないとレギュラーにあがってこれない。あがってもちょっと成績が悪ければ、すぐに次がきてしまう。若手のなかに本当に背負っていける選手が何人も出てこないと。本当の意味では常勝軍団にはなれない。その中で突き抜けてという選手はまだ出ていないというのが実態だと思う」と分析した。

 「芽は出てきている。何人かが一皮、二皮向けたらすごい主軸になるだろうなというのはわかる。投手陣にしても野手陣にしても、そういったものが育ってきていることは間違いない。本当に育てきらないと、絶えず優勝するチームにするためにまだ、そこまでいけていない。だから2位なんですよ」。


育成データを蓄積


 ファームを見渡しても、育成選手の森遼大朗が最多勝利、同じく育成選手の小沼健太が最多セーブ、大卒2年目の高部瑛斗が盗塁王に輝いている。一、二軍ともに若手が育ってきているが、河合オーナー代行兼社長が話すように、突き抜けた若手が出てきていないのも事実。

 そういった状況を打破するために、球団として育成方針を振り返ったり、この先の若手選手を育成していくための蓄積されたデータを球団としてしっかり管理されているのだろうかーー。

 河合オーナー代行兼社長は「もちろん」と即答した。

 「今までがあまりにもうちのチームは、データの整備ができていませんでした。新人になればなるほどデータが揃っている。それに対してどこまで目標に達しているのか、達していないのか、1シーズンで見たときに好不調ってでますけど、育成段階の選手はシーズン通してパフォーマンスをフルに出せるだけの体力がないじゃないですか。同時に体力がないなかで、あるレベルで維持させられるかという経験もない。厳しいですよね」。

 「若い選手たちは体力的にも経験的にも1年通して、疲れが溜まっているところでもそれを乗り越えて、パフォーマンスを下げずにやっていけるか。これは経験しかない。データで示して、このとき体重が落ちているとかね、いろんなことがデータとしてありますから選手と向き合って、コーチと向き合うことによって、来年度どういう体を作っていくのか、(体力が)落ちそうになったときにどうするのかというのをお互いに納得しながら、ここがクリアできれば、もう一歩上にいけるよねと各選手、コーチが考えるためにもデータが一番。そうでないと、単なる掛け声になってしまう。そうすると選手たちも納得しないでしょう」。


順天堂大学・医学部の存在


 メディカル体制の強化を図るべく、2020年から順天堂大学医学部と提携を結んだ。若手の育成面を含め、順天堂大学・医学部をどのように活用しているのだろうかーー。

 「コーチというのは技術のスキルを教えることに長けているが、体の能力、メンタルを含めて本当の意味でのプロは、順天堂にいるじゃないですか。そこが噛み合うことによって、一人一人の選手たちが納得しながら自分のレベルアップを図れるような状況は作りたい。そういう意味では、順天堂の先生方には貴重なアドバイスをいただきながら、(選手たちに)データを見せながら、納得してもらってやっています」と、順天堂大・医学部と球団がしっかりと連携をとってやれているようだ。

 近年は明確な育成ビジョンを持って、若手選手たちを強化している。あとは選手たちが結果を残すだけだ。「若手が突き抜けていれば、もっと早い時点で我々は優勝というところにたどり着けたと思う。そこは仕方がない。なんとしてでも来年にはそこから抜け出した選手たちが、何人も出てきて支えて優勝するというところを目指している。応援と期待をよろしくお願いします」。投手、野手ともに、チームの“中心”となる若手選手が一人でも多く出てくれば、世代交代もうまく進み、リーグ優勝、その先の“黄金時代”も見えてくる。2022年、リーグ優勝するためにも若手の一本立ちがカギを握りそうだ。

取材・文=岩下雄太

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