メジャー挑戦の意志は「強くありますね」
今季取得した国内FA権を行使せずに残留を決めていたDeNAの山﨑康晃投手(29)が17日、契約更改交渉に臨み、単年契約でサインした。
今シーズンは主にセットアッパーの役割で60試合に登板し、防御率3.27、3勝2敗1セーブ、自己最多のホールドポイント30を記録。クローザー・三嶋一輝の不振もあって一時は守護神に返り咲くなど、完全復活への足がかりとなるシーズンを送った。
「前半戦は怪我もなく、気持ちもベストな状態では入れた」と振り返り、オリンピックについても「野球人生においても、僕の人生においても、横浜スタジアムでプレーできて金メダルが取れたことに関しては、非常に大きな出来事」と言及した。
しかし、「後半戦にクローザーとして復帰してからは、思うような結果が残せなかった。オリンピックというイレギュラーなシーズンの中で、調子を崩す部分もあった。沢山のファンの方々を裏切ってしまった」と、ファーム落ちも経験した終盤を悔いた。
国内FA権を行使せずに残留したことについては「最終日まで悩みましたね」と明かしつつ、「家族の後押しと、やり返したい気持ちがあると僕からも伝えさせてもらった。来年はベイスターズでプレーすることが一番」と決断。
将来的なメジャー挑戦の意志を問われた際には「強くありますね」とキッパリ答えたが、「横浜で優勝するためにやって、その先に自分の夢。ファンの方々に後押ししてもらえるようなプレーを」と、まずはDeNAの一員として頂点を目指す姿勢を示した。
クローザー奪回について、昨年の更改では「言及する必要はない」と語っていたものの、2022年シーズンは「クローザーとして満員の横浜スタジアムでヤスアキジャンプで締めたい」と宣言。
「クローザーは一人しかいないし特別。チームの中でレベルの高い競争をして、自分の実力以上のものを出せることを、これまでのシーズンでも経験している。9回にかける思いは、自分自身一番感じている部分なので、なんとか守護神に挑戦する形で9回に戻れたらいいなと思います」と言い切った。
プロ入り5年間は順風満帆だったが、「2年間悔しいシーズンを送ってますし、僕自身やり返す気持ちを強く持っている」とリベンジを誓った山﨑康晃。激しい競争を勝ち抜き、再び「小さな大魔神」へと返り咲く構えだ。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)