指揮官も称える2年目捕手の奮闘
ヤクルトが本拠地でロッテに勝ち越し。
序盤から中盤はロッテに主導権を握られる苦しい展開も、8回に一挙5点を挙げる猛攻。7-3で逆転勝ちを収め、これで交流戦3カード連続の勝ち越しとなった。
先発したアンドリュー・スアレスが立ち上がりにいきなりの3失点。追いかける展開でスタートしたこの試合。
反撃は6回、先頭の3番・山田哲人が3戦連発の12号ソロ。「早く1点でも取って悪い流れを変えたかった」の言葉通り、攻めあぐねていたロッテ先発・小島和哉のカットボールをレフトスタンドに叩き込んで反撃の狼煙を上げる。
すると7回、2番手・東條大樹から太田賢吾がライトへ今季1号のソロを放って1点差。前日から続く一発攻勢でじわりじわりとその差を詰めていった。
こうして2-3で迎えた8回裏。3番手のタイロン・ゲレーロに対し、先頭の代打・川端慎吾がセンターに弾き返す安打を放って出塁。四球も重なって無死一・二塁とチャンスを作ると、主砲・村上宗隆は三振に倒れたものの、5番のホセ・オスナが変化球をレフトに運ぶ適時打。試合を振り出しに戻す。
さらに相手のミスで一死満塁となると、ここまで無安打だった7番・内山壮真が前進守備の右中間を突破する走者一掃の適時二塁打。「何とかここでやり返してやろう」と意気込んで放った一打は値千金の勝ち越し打となり、6-3と試合をひっくり返した。
高津臣吾監督は終盤の猛攻について「哲人の1本でなんとなく行けるんじゃないかという雰囲気になりました」と語り、雰囲気を変えた山田の一発を称賛。
また、貴重な勝ち越し打を放った内山にも「しっかりと打席の中で考えている。いろいろなことを思いながらスイングしているなと伝わってきた」と、奮闘する2年目捕手を称えた。
序盤戦から混戦模様の交流戦。9試合を終えて6勝3敗のヤクルトは、ソフトバンクと並んで首位に立っている。
3日からはカードが変わって西武との3連戦となるが、優勝に向けて弾みをつけることができるだろうか。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)