2022.07.19 18:00 | ||||
千葉ロッテマリーンズ | 5 | 終了 | 3 | 埼玉西武ライオンズ |
ZOZOマリン |
○ ロッテ 5 - 3 西武 ●
<14回戦・ZOZOマリン>
ロッテが西武に逆転勝ちで、首位とのゲーム差を4月14日以来3.5にした。ここ最近のロッテ打線のことを考えれば、初回の3点はあまりに大きい失点だったが、3回に角中勝也の適時内野安打、5回に髙部瑛斗の適時三塁打で1点差に迫ると、2-3の7回に中村奨吾が第7号逆転3ラン。5-3の8回はゲレーロ、9回は守護神・益田直也が連投中でベンチ外だったためオスナがマウンドに上がり、走者を出しながらもゼロに抑え、大事な3連戦の初戦をモノにした。
逆転弾を放った中村、2-3の7回にわずか9球で三者凡退に抑え逆転劇に繋げた東條大樹、炎の3連投で試合を締めたオスナなど、勝利に貢献した選手がたくさんいたが、今季初スタメンマスクを被った加藤匠馬も“勝利”という形で結果を残した。
昨年加藤翔平とのトレードでロッテに加入すると、オールスター明けの後半戦は先発マスクを被り、小島和哉、佐々木朗希、河村説人、ロメロを好リードするなど投手陣を引っ張った。小島は昨季2度の完封勝利を含む3完投勝利をあげたが、いずれもマスクを被っていたのは加藤だった。
守備面で貢献度の高さを見せた加藤だが、バッティングに課題を抱え、昨季は打率.095(105-10)。シーズン終了後の11月にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では、井口資仁監督、福浦和也打撃コーチが見守る中、打撃練習を行い、バランスボールに座ってのティー打撃では井口監督が自ら手本を示し加藤を指導する場面も見られた。11月に行われた秋季練習のある日には、休憩中の他の選手よりも先にグラウンドにあらわれて福浦コーチが見守る中、ティー打撃を行うなど、打撃を向上させるんだ、という強い思いがこちらにも伝わるほど熱心にバットを振っていたのが印象に残っている。
打撃技術を上げて一気に正捕手を掴みたいところだったが、今季は春季キャンプ、オープン戦で“打てる捕手”・佐藤都志也、高卒ルーキーの松川虎生が存在感を示し、開幕から2人が積極的に先発で起用された。加藤はオープン戦まで一軍帯同も開幕は二軍スタート。4月1日に今季初昇格を果たしたが、同月27日に一軍登録を抹消。6月3日に再び一軍に昇格するも、加藤の出番は決まって勝ち試合の試合終盤に“抑え捕手”として登場するというのが役割だった。
加藤は19日の西武戦、今季ここまで好投しながら勝ち星に恵まれていない小島が先発の試合で、今季初スタメン出場を果たした。今季初打席となった0-3の3回無死二塁の第1打席、きっちりと1球で送りバントを決め、角中の適時内野安打に繋げると、1-3の5回二死走者の第2打席は、松本航が投じた外角のストレートを逆らわずに右中間を破る二塁打。
昨年加入直後のオンライン取材で「僕のヒットゾーンはセンターから右方向なので、自分の生きる道ではないですけど、ホームランを打つタイプではない。プロ野球界で生きていくうえで必要なバッティングというのは、あの形なのかなと思ってやっています」と得意な反対方向の打撃でチャンスメイクし、髙部の三塁打で2点目のホームを踏んだ。
2-3の7回無死一塁の第3打席で送りバントを失敗してしまったが、今季初スタメンで2打数1安打1犠打。5回の第2打席は2アウトからの二塁打は、続く髙部が適時三塁打を放ったことを考えると、価値のある安打だった。
守備面でも先発・小島が初回に3点を失ったものの、6回3失点にまとめさせ、7回・東條大樹、8回・ゲレーロ、9回・オスナの3人も好リードした。松川、佐藤がメインでマスクを被るなか、今季初スタメンというチャンスでチームを勝利に導き、バットでも1本放ったことは加藤にとっても、チームにとっても意味がある。改めて加藤がマリーンズに欠かせない存在であることを示せた1日だったのではないだろうかーー。
文=岩下雄太
<14回戦・ZOZOマリン>
ロッテが西武に逆転勝ちで、首位とのゲーム差を4月14日以来3.5にした。ここ最近のロッテ打線のことを考えれば、初回の3点はあまりに大きい失点だったが、3回に角中勝也の適時内野安打、5回に髙部瑛斗の適時三塁打で1点差に迫ると、2-3の7回に中村奨吾が第7号逆転3ラン。5-3の8回はゲレーロ、9回は守護神・益田直也が連投中でベンチ外だったためオスナがマウンドに上がり、走者を出しながらもゼロに抑え、大事な3連戦の初戦をモノにした。
逆転弾を放った中村、2-3の7回にわずか9球で三者凡退に抑え逆転劇に繋げた東條大樹、炎の3連投で試合を締めたオスナなど、勝利に貢献した選手がたくさんいたが、今季初スタメンマスクを被った加藤匠馬も“勝利”という形で結果を残した。
昨年加藤翔平とのトレードでロッテに加入すると、オールスター明けの後半戦は先発マスクを被り、小島和哉、佐々木朗希、河村説人、ロメロを好リードするなど投手陣を引っ張った。小島は昨季2度の完封勝利を含む3完投勝利をあげたが、いずれもマスクを被っていたのは加藤だった。
守備面で貢献度の高さを見せた加藤だが、バッティングに課題を抱え、昨季は打率.095(105-10)。シーズン終了後の11月にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では、井口資仁監督、福浦和也打撃コーチが見守る中、打撃練習を行い、バランスボールに座ってのティー打撃では井口監督が自ら手本を示し加藤を指導する場面も見られた。11月に行われた秋季練習のある日には、休憩中の他の選手よりも先にグラウンドにあらわれて福浦コーチが見守る中、ティー打撃を行うなど、打撃を向上させるんだ、という強い思いがこちらにも伝わるほど熱心にバットを振っていたのが印象に残っている。
打撃技術を上げて一気に正捕手を掴みたいところだったが、今季は春季キャンプ、オープン戦で“打てる捕手”・佐藤都志也、高卒ルーキーの松川虎生が存在感を示し、開幕から2人が積極的に先発で起用された。加藤はオープン戦まで一軍帯同も開幕は二軍スタート。4月1日に今季初昇格を果たしたが、同月27日に一軍登録を抹消。6月3日に再び一軍に昇格するも、加藤の出番は決まって勝ち試合の試合終盤に“抑え捕手”として登場するというのが役割だった。
加藤は19日の西武戦、今季ここまで好投しながら勝ち星に恵まれていない小島が先発の試合で、今季初スタメン出場を果たした。今季初打席となった0-3の3回無死二塁の第1打席、きっちりと1球で送りバントを決め、角中の適時内野安打に繋げると、1-3の5回二死走者の第2打席は、松本航が投じた外角のストレートを逆らわずに右中間を破る二塁打。
昨年加入直後のオンライン取材で「僕のヒットゾーンはセンターから右方向なので、自分の生きる道ではないですけど、ホームランを打つタイプではない。プロ野球界で生きていくうえで必要なバッティングというのは、あの形なのかなと思ってやっています」と得意な反対方向の打撃でチャンスメイクし、髙部の三塁打で2点目のホームを踏んだ。
2-3の7回無死一塁の第3打席で送りバントを失敗してしまったが、今季初スタメンで2打数1安打1犠打。5回の第2打席は2アウトからの二塁打は、続く髙部が適時三塁打を放ったことを考えると、価値のある安打だった。
守備面でも先発・小島が初回に3点を失ったものの、6回3失点にまとめさせ、7回・東條大樹、8回・ゲレーロ、9回・オスナの3人も好リードした。松川、佐藤がメインでマスクを被るなか、今季初スタメンというチャンスでチームを勝利に導き、バットでも1本放ったことは加藤にとっても、チームにとっても意味がある。改めて加藤がマリーンズに欠かせない存在であることを示せた1日だったのではないだろうかーー。
文=岩下雄太