佐々木朗希は最速162キロ
26日(PayPayドーム)、27日(松山)に行われた『マイナビオールスターゲーム2022』はオール・パシフィックの連勝で終えた。
オールスターに出場したロッテの選手たちも、プロ野球ファンを沸かせた。ファン投票で出場した佐々木朗希は第2戦に先発し、1回1失点0奪三振だったものの、23球中21球がストレート。最速は162キロを計測した。
7月1日の楽天戦以来久々の登板となった佐々木は「実戦が久しぶりという事もあり緊張しましたけど楽しかったです。投げ終えてホッとしています」と振り返り、「ストレート勝負を期待されていたと思うので、そういうところを見せることが出来て良かったとは思いますが、なかなかストレートだけで抑えるのは難しいですね」と笑顔を見せた。
「マウンドから見える景色がいつもと違って、スタンドには色々なチームのユニホームを着ているファンの方がいたのがとても新鮮に感じました。スピードとしては160キロを出せたらとは思っていたので、出せて良かったかなと思います。三振はシーズンでとることが出来ればいいかなと思います。後半戦、投げる試合は、すべてで勝てるように頑張りたいです」。
松川は初安打・初適時打
捕手の松川虎生は、オールスターに2試合とも出場。第2戦は『8番・捕手』でスタメン出場し、0-1の2回の第1打席、床田寛樹(広島)が1ストライクから投じた2球目のツーシームをライト前にはじき返す同点打を放った。これが松川にとって嬉しいオールスター初安打となった。
松川は「打ったのはツーシームっス。どんな意識で打席に入ったとかもなくて、ただただ無我夢中です。初球がツーシームだったのでなんとか反応して当てたら、ヒットになりました。嬉しいっス」と喜んだ。
守っても第1戦では益田直也(ロッテ)、モイネロ(ソフトバンク)、松井裕樹(楽天)、第2戦では佐々木、本田圭佑(西武)、山本由伸(オリックス)、東浜巨(ソフトバンク)、小野郁(ロッテ)、水上由伸(西武)の球を受けた。球界を代表する投手の球を受けたことは、貴重な経験になったはずだ。
連投した益田と小野
マリーンズのブルペンを支える益田、小野はオールスターで連投。
益田はシーズン中でも時折見せる“ふらつき投法”でファンを沸かせ、第2戦では2-1の9回二死走者なしから登板し、2本の安打を許したが佐野恵太(DeNA)を投ゴロに仕留め試合を締めた。
チームメイトの東條大樹が新型コロナウイルス陽性判定を受け、代替出場となった小野はオールスターで存在感、プロ野球ファンの認知度を高めた。第1戦、1-2の5回に登板すると中野拓夢(阪神)、塩見泰隆(ヤクルト)、近本光司(阪神)を三者連続空振り三振に仕留めた。第2戦も1-1の5回に登板し1回をパーフェクトリリーフ。直後の6回に柳田悠岐(ソフトバンク)がソロ本塁打を放ち、勝利投手になった。小野はオールスター出場が決まった際、「東條さんの事を考えると複雑な気持ちですが、東條さんの分まで頑張ることが出来ればと思っています」とコメントしていたが、東條の分まで頑張る投球内容だった。
第1戦、第2戦を通じて表彰選手に選ばれなかったが、そのインパクトは間違いなくプロ野球ファンの胸に刻まれたはずだ。
2試合連続フル出場の髙部
リーグトップの盗塁数を誇る髙部瑛斗は、オールスターという夢舞台で2試合連続フル出場。
第2戦では2-1の7回無死一塁の第3打席、栗林良吏(広島)が1ボールから投じた2球目の149キロのストレートをセンター前にはじき返し、オールスター初安打をマーク。走っても第2戦の2回に松川の初球に二塁盗塁を決めた。
髙部は「疲れましたけど、とてもいい経験になりました。素晴らしいスター選手の皆様と一緒に2日間、2試合を過ごせたことを今後に生かしたいと思います。後半戦も一つ一つのプレーを全力で取り組んでチームの勝利に貢献したいと思います」と充実の時間を過ごした。
ホームランダービーを制したレアード
レアードは第1戦、代打で登場し森下暢仁(広島)からレフト前に安打、第2戦は無安打だったがオール・パシフィックの4番に座った。
そして、試合前に行われたホームランダービーでは「本当に楽しい雰囲気の中、優勝することが出来て本当にうれしいよ。出場しているメンバーも凄い打者ばかり。その中で勝つことが出来たという事はとても価値があることだね。(打撃投手役を務めた)前里史郎用具担当に感謝だね。振りやすいコースにちょうどいいスピードで投げてくれたよ」と、1回戦・村上宗隆(ヤクルト)、準決勝・浅村栄斗(楽天)、決勝・柳田悠岐(ソフトバンク)を破って優勝を果たした。
オールスターではプロ野球ファンを沸かせたが、再び29日からリーグ戦が再開する。オールスターに出場した6選手はこの経験を活かし、今度はマリーンズファンが喜ぶ熱いプレーを見せて欲しいところだ。
文=岩下雄太