2022.09.02 18:00 | ||||
東京ヤクルトスワローズ | 5 | 終了 | 0 | 中日ドラゴンズ |
神宮 |
「日々成長ということを掲げている」
ヤクルトの村上宗隆が2日、神宮で行われた中日戦でプロ野球史上最年少となるシーズン50号本塁打を放った。日本選手では史上6人目。2002年に巨人の松井秀喜が50号を放って以来、20年ぶりの大台に到達した。
1964年に王貞治(巨人)が24歳3カ月でシーズン50本に到達。村上は22歳7カ月で最年少記録を更新した。歴史的な記録が生まれたのは3回一死一・三塁での第2打席。カウント2-1から中日の先発・大野雄大の甘めに入ったカットボールを見逃さなかった。ライトスタンドへの先制3ランは、いつものように確信の一発だった。
右手でガッツポーズをつくった村上は「一・三塁で先制のチャンスだったので、犠牲フライでもという気持ちで打席に入りました。良い角度で上がってくれました。先制できて良かったです」と振り返った。
目標にしてきた同じ背番号55の先輩・松井秀喜に並ぶシーズン50号について村上は「その数字を今日並べたというのは誇りに思いますし、でも、まだまだ先の目標を自分の中で達成できるように頑張りたいなと思います」と語った。
この日は5打数1安打3打点。打率.337、50本塁打、123打点という驚異的な数字で三冠王も見えてきた。残り24試合で本塁打はどこまで積み重ねるのか。2013年にウラディミール・バレンティンが達成したシーズン記録の60本到達にも期待がふくらむ。
「日々成長ということを掲げているので、本当に今まで1本のホームランだったり、1本のヒットというのはいいんですけど、そこで満足せずにまた明日、明後日と成長したいなと、打ちたいなと思っている」
二軍監督時代から村上を見てきた高津臣吾監督は、村上の偉業に「50本ってすごくいい数字だと思います。18歳のときから見て、可愛い少年だったんですけど…。いまだに可愛い男ですけど、素晴らしく大きく成長してくれたと思います」
試合は先発のサイスニードが7回120球を投げて3安打無失点に抑え、8勝目を挙げた。4回に青木宣親の犠飛、7回には長岡秀樹のライトへの適時打で追加点を挙げ、5-0で中日との3連戦初戦に勝利した。
勝負の9月に突入し、ヤクルトは引き分けを挟んで5連勝。2位のDeNAが敗れてゲーム差は「7」に広がった。高津監督は「最後の1カ月というところ、いいスタートが切れたと思います」と喜んだ。
「本当に残り試合少なくなって、変なプレッシャーをかけられながら試合をしているんですけど、そのプレッシャーに負けずにチーム一丸となって勝ちをもぎ取って、何とか突っ走っていけるように頑張っていきたいと思います」と村上。日々成長を掲げる4番と共に、チームはこのまま連覇へと突き進む。
取材・文=別府勉(べっぷ・つとむ)