オリックス・山本由伸

◆ 昨季の『沢村賞』右腕が最有力候補

 パ・リーグの優勝争いは、ソフトバンク、西武、オリックスの3球団がゲーム差なしでひしめき合う大混戦。4位の楽天が首位と3.5差、5位のロッテも同6差につけており、シーズン終盤に向けて4強もしくは5強の争いになってもおかしくないだろう。

 そんなパ・リーグで注目される個人タイトル争いの一つが防御率部門だ。5日時点でトップに立っているのは昨季『沢村賞』に輝いた山本由伸(オリックス)。リーグでは唯一の1点台となる1.82をマークしている。

 山本はすでに今季の規定投球回数(143回)をクリアしており、投手4冠を獲得した昨季に続き最優秀防御率の最有力候補といえそうだ。

 山本に続くのが防御率2.05の加藤貴之(日本ハム)である。こちらは4日の楽天戦で8回を無失点に抑えて急浮上。投球回数(122回2/3)がチームの試合数(122)を上回ったことで、2位にランクインしてきた。

 ただし、中1日でナイターゲームに登板することは考えられないため、6日の試合後には防御率ランキングからその名前がいったん消えることになる。

◆ イニング数次第で逆転浮上の可能性も

 加藤のように投球回数とチーム試合数がほぼ同じ投手は他にもいる。今後の登板状況次第で山本を逆転する可能性を秘めているのが千賀滉大(ソフトバンク)と佐々木朗希(ロッテ)の2人だ。

 120試合を消化しているソフトバンクの千賀は今季118回を投げ、防御率1.98。8月に新型コロナウイルス陽性判定を受けた影響で離脱していたため、ランキングからその名前が消えているが、シーズン終了までに25回を投げれば規定投球回数に到達する。山本との防御率差は「0.16」で、最終盤に逆転する可能性も十分に考えられる。

 121試合を消化しているロッテの佐々木朗は118回1/3を投げ、防御率2.05。今季は3度の登録抹消があったが、自身初となる規定投球回到達も視野に入っている。直近2試合は91球で7回、97球で9回完投と、少ない球数で長いイニングを投げており、こちらも順調に数字を伸ばすことができればタイトル争いに加わってくるだろう。

 さらに実はもう一人、山本の最大のライバルとなり得る存在がいる。チームメートの山岡泰輔(防御率1.98)だ。

 千賀と同じように新型コロナウイルスの影響でオールスター後に戦線を離脱した右腕は、8月中旬に復帰したものの、ここまで113回2/3と規定投球回数に到達できるか微妙なところ。ローテーション通りなら残り18試合中4試合に先発登板が可能だが、29回1/3を投げる必要がある。

 大本命の山本を中心に最優秀防御率争いは神出鬼没の大混戦。シーズン最終戦で規定投球回数に達してタイトル獲得というパターンも十分考えられるシナリオだ。

 ペナント争いとともに個人タイトル争いも最後まで目が離せない。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【パ・防御率ランキングTOP5】
1.82 山本由伸(オ) 163回
2.05 加藤貴之(日) 122回2/3
2.33 髙橋光成(西) 147回
2.85 東浜 巨(ソ) 123回
2.97 小島和哉(ロ) 121回1/3

【規定未到達も100回以上の好成績投手】
1.98 山岡泰輔 (オ) 113回2/3
1.98 千賀滉大 (ソ) 118回
2.05 佐々木朗希(ロ) 118回1/3
2.40 石川 歩 (ロ) 112回1/3
2.52 田嶋大樹 (オ) 110回2/3
2.68 D.エンス (西) 111回
2.81 與座海人 (西) 105回2/3

※成績は9月5日時点

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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