◆ 目に留まった「中飛」
阪神は9日のDeNA戦に敗れ、セ・リーグのクライマックスシリーズ・ファーストステージは1勝1敗のタイに。
ヤクルトが待つファイナルステージに進むのはどちらか。すべては10日の第3戦に持ち越しとなった。
9日の試合は相手先発・大貫晋一からわずか2安打と打線が沈黙。
唯一と言えるチャンスは7回。先頭の中野拓夢が内野安打で出塁し、盗塁と犠打で一死三塁。打順はクリーンナップという最高のシチュエーションを作ったが、代わった伊勢大夢の前に近本光司が三邪飛に倒れ、4番の大山悠輔も中飛。追いつくことができなかった。
なかでも気になるのが中軸の不振。中野と近本が好調ぶりを発揮している中、大山は2戦合計5の0。5番を打つ原口文仁も6の0で、佐藤輝明も7の1とポイントゲッターがその役割を果たすことができていないのだ。
この状況で迎える第3戦。9日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した達川光男氏は、「大山悠輔がカギになる」と強調する。
達川氏が注目したのが伊勢との対決。「得点にはならなかったんですが、右中間に打ち返した中飛がありましたよね。これまではレフトの方に体が開く打撃が目立ったんですが、あの打席は良い感じで打てていた。あの打撃ができれば期待が持てると思うんですよ」と、凡打の中から復調の気配を感じ取っている。
また、達川氏は「中野や近本といった前を打つ選手の状態が良いですから、やはり大山や佐藤輝が還せるかどうか。(10日先発の)濱口は右よりも左によく打たれているので、佐藤も期待できると思いますよ」とも。
打てばチーム全体が盛り上がる右の大山、左の佐藤。打線の両輪が崖っぷちで目を覚ますのか、第3戦の注目ポイントとなりそうだ。