5回2/3を投げて無失点
オリックスが1年前の忘れ物を取り戻し、神宮で歓喜に沸いた。
22日に開幕した『SMBC日本シリーズ2022』は30日の第7戦で決着。オリックスが4勝2敗1分で26年ぶり5度目の日本一に輝いた。
30日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では、解説者がシリーズの激闘を振り返りながら、それぞれが選ぶ“MVP”を発表。MCを務める岩本勉氏が「文句なしでMVP」と名前を挙げたのが、プロ2年目の宇田川優希だった。
八潮南高から仙台大を経て、2020年の育成ドラフト3位でオリックスに入団。支配下登録を勝ち取ったのは今年の7月のことで、今季の一軍登板は19試合。まだ新人王の資格も残っている23歳だが、クライマックスシリーズと日本シリーズで約3分の1にあたる6試合に登板するなど、短期間で一気に主力へと駆け上がった。
日本シリーズは4試合・5回2/3を投げて失点ゼロ。26日の第4戦では先発の山岡泰輔が塩見泰隆に三塁打を浴び、一死三塁というピンチからマウンドへ。
1-0と凡打でも同点に追い付かれる可能性もある中、「三振が欲しかった」というベンチの起用に見事に応え、山崎晃大朗と山田哲人を連続三振。ピンチを脱すると、イニングを跨いだ6回も一死一・三塁のピンチを招きながら連続三振。チームの窮地を救い、勝利投手となっている。
番組に出演した平松政次氏も「“オリックスに宇田川あり!”と宣伝しましたよね。先発が試合を作れば、あとは宇田川から勝ちパターンへという形ができた。その一翼を担っていたというのは本当にすごい」と脱帽。
つづけて、「腕が柔らかいんですよね。しなりがある。ただ速いだけじゃなくて手が遅れて来るので、打者はタイミングが合わない。そういった部分の良さも持っていますね」と強みを分析した。
宇田川を「文句なしのMVP」とした岩本氏も「久しぶりに“ごっつい球”を見ましたね」とその球威に釘付け。
また、「彼の存在が先発投手の活躍を輝かせていましたし、彼以降のリリーフ陣にも良いバトンリレーをしていた。短期決戦で継投が早くなる中で、先発投手の次にマウンドに上がる投手ってすごく勝負のカギを握っているんですよ」と担っていた役割の大きさを強調。
「チームに流れを引き寄せるパワーピッチが印象的。まさに“中継ぎ”として火消し役を務めた彼にMVPをあげたいですね」と若き右腕の奮闘を称えた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』