3年前の2020年、ロッテは日本人の右打者で25歳以下の本塁打数がパ・リーグで唯一0本塁打だった。この2年でガラリと状況が変わった。21年に当時高卒3年目だった山口航輝がプロ初本塁打を含む9本塁打を放つと、昨季はチームトップの16本塁打を放ち、長年チームの課題にしていた“和製大砲”誕生の予感だ。
右の大砲候補は、山口だけではない。今季3年目を迎える西川僚祐、山本大斗の2人もいる。特に山本の長打力は、山口とともに魅力的だ。育成選手として入団した山本はプロ1年目の21年にプロ初打席・初本塁打を放つなど5本塁打をマークすると、同年行われたフェニックス・リーグでも5本のアーチを描いた。
プロ2年目の昨季は7月6日の楽天戦から8日の西武戦にかけて3試合連続本塁打を放つなどアピールし、同月30日に支配下選手登録をつかみ取った。昨季は一時ファームで本塁打トップに立つなど、チームトップの12本塁打を記録。
ファームでは、勝敗に関わる重要な場面での一発が多かった。7月6日の楽天戦では4-4の11回に決勝3ラン、7月8日の西武戦は0-0の7回に先制ソロ、7月27日のヤクルト戦では2-3の8回にレフトへ弾丸ライナーの逆転2ラン。さらに昨季初めて1試合2本のアーチを描いた8月14日のヤクルト戦では、3-4の9回に一時同点となる本塁打。8月21日の日本ハム戦では1-1の8回に、レフトへ決勝の第9号ソロ、9月18日の楽天戦では0-1の9回にレフトスタンドに同点の第12号ソロを放った。
ファームでは、ここ一番の場面で何度も勝負強さを発揮。昨季一軍はチーム本塁打がリーグ5位の97本塁打と長打力を課題にしており、なかなか試合終盤に一発で試合を決めるという場面が少なかった。今季プロ3年目の山本は、「一軍でも自分の一本で勝ちに繋がったり、そういったところで打てるようになりたいと思います」と、その勝負強さを一軍の舞台で発揮するつもりだ。
年齢が少し上がってしまうが、今年の11月で26歳となる大下誠一郎も長打力が売り。昨年12月に行われた現役ドラフトでオリックスから加入した大下の入団会見に同席した吉井理人監督は「ファースト、サードを守れ、長打もあるということで安田のライバルになるくらい頑張ってもらいたい」と期待を寄せる。
育成・村山亮介も「長打力が売りなので、ピッチャーのまっすぐのタイミングにしっかり合わせられるようなバッターになって、そこから変化球の対応とかやることはたくさんあるんですけど、打者はそういうところを目指してアピールできればいいなと思います」と話すように、将来の長距離砲の候補。昨年8月11日にロッテ浦和球場での巨人戦で、菅野智之から放ったレフトスタンドに飛び込む弾丸ライナーの一発は見事だった。プロ1年目の昨季はファームで3本塁打だったが、実戦経験を積んだ7月以降に放ったもの。シーズン最終盤に右肘を手術したものの、2年目の今季、ファームで何本のアーチを描くか注目だ。
右の大砲候補が増えてきた。将来的にこの中から一軍で本塁打を量産する選手が1人でも多く出た時に、“長打力不足”が解消されるだろう。1年でも早く一人前になってほしい。
取材・文=岩下雄太
右の大砲候補は、山口だけではない。今季3年目を迎える西川僚祐、山本大斗の2人もいる。特に山本の長打力は、山口とともに魅力的だ。育成選手として入団した山本はプロ1年目の21年にプロ初打席・初本塁打を放つなど5本塁打をマークすると、同年行われたフェニックス・リーグでも5本のアーチを描いた。
プロ2年目の昨季は7月6日の楽天戦から8日の西武戦にかけて3試合連続本塁打を放つなどアピールし、同月30日に支配下選手登録をつかみ取った。昨季は一時ファームで本塁打トップに立つなど、チームトップの12本塁打を記録。
ファームでは、勝敗に関わる重要な場面での一発が多かった。7月6日の楽天戦では4-4の11回に決勝3ラン、7月8日の西武戦は0-0の7回に先制ソロ、7月27日のヤクルト戦では2-3の8回にレフトへ弾丸ライナーの逆転2ラン。さらに昨季初めて1試合2本のアーチを描いた8月14日のヤクルト戦では、3-4の9回に一時同点となる本塁打。8月21日の日本ハム戦では1-1の8回に、レフトへ決勝の第9号ソロ、9月18日の楽天戦では0-1の9回にレフトスタンドに同点の第12号ソロを放った。
ファームでは、ここ一番の場面で何度も勝負強さを発揮。昨季一軍はチーム本塁打がリーグ5位の97本塁打と長打力を課題にしており、なかなか試合終盤に一発で試合を決めるという場面が少なかった。今季プロ3年目の山本は、「一軍でも自分の一本で勝ちに繋がったり、そういったところで打てるようになりたいと思います」と、その勝負強さを一軍の舞台で発揮するつもりだ。
年齢が少し上がってしまうが、今年の11月で26歳となる大下誠一郎も長打力が売り。昨年12月に行われた現役ドラフトでオリックスから加入した大下の入団会見に同席した吉井理人監督は「ファースト、サードを守れ、長打もあるということで安田のライバルになるくらい頑張ってもらいたい」と期待を寄せる。
育成・村山亮介も「長打力が売りなので、ピッチャーのまっすぐのタイミングにしっかり合わせられるようなバッターになって、そこから変化球の対応とかやることはたくさんあるんですけど、打者はそういうところを目指してアピールできればいいなと思います」と話すように、将来の長距離砲の候補。昨年8月11日にロッテ浦和球場での巨人戦で、菅野智之から放ったレフトスタンドに飛び込む弾丸ライナーの一発は見事だった。プロ1年目の昨季はファームで3本塁打だったが、実戦経験を積んだ7月以降に放ったもの。シーズン最終盤に右肘を手術したものの、2年目の今季、ファームで何本のアーチを描くか注目だ。
右の大砲候補が増えてきた。将来的にこの中から一軍で本塁打を量産する選手が1人でも多く出た時に、“長打力不足”が解消されるだろう。1年でも早く一人前になってほしい。
取材・文=岩下雄太