ニュース 2023.08.15. 09:31

ロッテ・小野コーチ「これから先が本当の戦い」ここまで3連投なし、複数の勝ちパターン、ベンチ外…開幕からリリーフ陣を運用

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ロッテ・吉井監督(C)Kyodo News

ややお疲れ気味のリリーフ陣


 ロッテはオールスター前、6回終了時点でリードしていた試合は31勝2敗、8回終了時リードしていた試合は、34勝0敗と抜群の安定感を誇っていたが、オールスター明けは6回終了時点でリードしていた試合は8勝2敗、8回終了時リードしていた試合は8勝1敗。勝ち試合でしっかり勝っているが、ここ最近は開幕から支えてきたリリーフ陣が失点する場面も増え、やや疲れが見える。首位・オリックスと5.5ゲーム差の2位のロッテ。リーグ優勝するためには、リードしている試合は全て勝つつもりで戦わなければならない。勝利を積み重ねていくためにも、リリーフ陣の出来が大きく鍵を握っていく。

 ブルペンを担当する小野晋吾投手コーチはここ最近のリリーフ陣について「複数点を取られる回数が増えてきている。そこは疲れというか、相手打者の状態も上がってきている中で勝負していかないといけない。そこにどういう投球をしていくかというのを常に考えながら話し合っています」と明かす。

 小野コーチは開幕からリリーフ陣について“準備力”の高さについて何度も口にしてきたが、「準備の部分はみんなしっかりやってくれていると思います」と変わらず評価する。

 オールスター明けは、ベンチ外の日を多く作っている。8月8日からの週でいえば、8日が高野脩汰、9日が西村天裕と東妻勇輔、10日が西村と高野、11日が西村と澤田圭佑、12日と13日は東妻がベンチ外だった。

 勝負所の9月に向けて、リリーフ陣の疲労を溜めないようにするためにベンチ外の日を作っているのだろうかーー。

 「そうですね、できるだけ疲労を溜めないのもそうですし、状態を維持していくために色々試行錯誤している感じです」(小野コーチ)。

 先週は3試合でベンチ外だった西村に登板がしっかり管理されていることについて質問すると、「自分たちのことを考えてベストなパフォーマンスを出せるように考えてくれていると思うのでありがたいです」と感謝した。


リリーフ陣の運用


 ロッテのリリーフ陣は5月18日のオリックス戦、5月21日の楽天戦でブルペンデーを行ったが、3連投した投手は誰もおらず、1週間に4登板以上した投手も益田直也(6月5日〜の週)、坂本光士郎(6月5日〜の週)の2人のみで、それも6月3日から9連戦中だった。坂本は「大体2連投したら3連投はないので、そこは2連投したらリカバリーの日にしたりしています。3連投がないので体の負担も少ないのかなと思います」と自己分析。

 開幕から場面や状況に応じてリリーフ投手をうまく起用し、決まった形の“勝利の方程式”というよりは、先を見据えて、いろいろな投手を起用してきた。

 例えば、7月9日の日本ハム戦は、勝ち試合の8回、9回に任されることが多かったペルドモ、益田が連投中ではなかったが、1-2の8回表に逆転した直後の8回裏に澤村拓一、そして9回は横山陸人にマウンドを託した。オールスター明けも、8月4日の楽天戦で5-3の7回に横山、ペルドモが連投中ではなかったが8回は坂本光士郎、東妻、9回は守護神・益田が連投中ではなかったが東條大樹の継投で逃げ切った。

 小野コーチは勝ち試合の9回に東條を託した8月4日の楽天戦について、「どうしてもマス(益田直也)とペルドモに負担がかかる試合が多いので、東條が去年まではそういうところで投げていたし、いい状態で上がってくれた。そこでしっかり与えられた場面で結果を残してくれたので、すごく心強い。いい状態で戻ってくれたなと思います」と振り返った。

 8月4日のような継投で逃げ切ることもあり、西村、坂本、東妻、横山などは勝ち試合、ビハインド、同点と様々な局面で投げることになる。西村は「いつでもいける準備をしているので別にそんなに難しさとかは感じていないです」と話せば、坂本も「なんとなく自分かなと思いながら体を動かしているので、いろんな場面で出ていくことが多いですけど、そこは別にいつもと変わらない感じで投げています」と頼もしい言葉。

 小野コーチは「ある程度は、自分でありそうだなと分かった上で準備してやってくれている。今はいろんなポジションで投げられる選手が多いので、横山にしてもいいところで投げたり、選手は大変は大変なんだけどうまくやってくれている。横山とかが出てきたのもありがたい。最後まで戦え続けられるように声がけしていきます」と感謝した。その横山もいろんな局面で投げることについて「点差関係なく、今の自分の仕事はとにかくゼロで1イニング抑えて帰ってくることだと思うので、そこは何も変わらず常に同じような気持ちで戦っています」と力強く話した。

 泣いても笑っても残りは45試合。「これから先が本当の戦いになってくると思うので、その中でいい結果につながるような準備への声がけだったり、澤田とか、新たな戦力とか加わってくれている。競争でもあるので、いい結果が残せるような声がけをどんどんしていけたらなと思います」と小野コーチ。勝負所でチーム力が落ちないように、投手運用を開幕からしてきた。その力を残り試合で発揮したい。

取材・文=岩下雄太

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