「あれっ？ていうのが少しあった」

　阪神はオリックスとの『SMBC日本シリーズ2023』の第3戦を1点差で落とし痛恨の連敗を喫した。4回から6回までの3イニングで5点を失い、4点リードで迎えたラッキーセブンに3点を返し押せ押せムードの高まる甲子園。

　8回に一死からシェルドン・ノイジーがヒットで出塁すると、岡田監督は代走に島田海吏を指名し、続く坂本誠志郎が送りバントを決めた場面に、30日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』の解説陣が熱視線を送った。

　まず解説の高木豊氏は「岡田監督も迷いがあるような気がするんですよね。代走の島田を出して、スタートを切るんですけれども、力んで足が空回りして一回戻るんですよ。これは走れないなと思ってバントにした」と状況を整理しつつ「ただカウントとすれば島田があれだけ走る仕草をしているのでフォークは投げられないと思うんですよ。だから僕は奇襲をかけて欲しかった」とコメント。「坂本（誠志郎）は当てるのは上手いバッターですよ、だからフォークだったら空振りしていても、島田の足ならセーフになるという両天秤にかけた采配でも良かったのかなという感じがしましたね」とただ送るだけではもったいなかったと分析した。

　MCを努めた谷繁元信氏も「球が進むごと、1球ごとにサインも変わっているんですよ。だから僕は決断しきれない部分がどこかにあったのではないかなと思うんですよ」と“迷い"の部分に同意し「どういうふうに動いたらこの場面は一番いいのか、走らすのかエンドランなのかバントなのか、色んな選択肢があの場面はあったのですけれども、最終的にはバッティングカウントの2ボール1ストライクのチャンスで、最初からバントになっちゃったのは、僕もあれっ？ていうのが少しあったんですよ」と一番無難な采配に疑問視していた。

　高木豊氏も「キレがある」と絶賛する岡田采配。初戦は佐藤輝明に単独スチールを仕掛け流れを掴んだだけに、この日の送りバントに解説陣は腑に落ちない様子だった。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』