笑顔の入団会見
DeNAは29日、中川颯投手の記者会見を球団事務所にて行った。横浜市戸塚区出身のアンダースローの中川颯は、地元神奈川の桐光学園高から立大に進み、2020年のドラフト4位でオリックスに入団。翌年に一軍でデビューしたものの、22年オフには肩の故障で育成契約に変更された。今シーズンはファームで21試合登板で、防御率1.38の好成績をマークしていたがオフに戦力外通告を受けていた。
会見では常務取締役チーム統括本部の萩原龍大本部長が「プロスカウトの戦力外になる可能性のある選手のリストの中でも上位に入ってくる選手で、正直出てくるとは思っていなかったのですけれども、出てきたのであればすぐ獲得したいと」と、評価の高い投手だったと説明。続けて「いわゆる変則投手でウチにいないタイプの選手であることと、先発もリリーフもどちらも経験しているので、我々にとっては両方可能性があるので色々な期待のも応えてくれる。二軍の成績も非常に良いので、色々な期待を持って獲得しました」と契約への経緯も明かした。また「現時点では先発で期待している」とも語った。
入団が決まった際中川は「心の底から嬉しかったです」と素直な心境を吐露。「地元が横浜ということもあって、ベイスターズのユニフォームを着てプレーすることが幼い時からの夢でもあったので、とても嬉しく思っています」と笑顔で語った。
横浜スタジアムには「オリックスのときオープン戦で投げさせて頂いたのですけれども、横浜スタジアムの雰囲気とかは高校の時代から思い入れのある場所で、いい場所だとずっと思っていました。とても楽しみです」とし「自分の中では投げやすいマウンドなので、しっかり力を発揮できるようにしていきたいです」と意気込んだ。
真っすぐの強さを武器に
プレースタイルは「変則だと変化球で交わしたりというイメージがあると思うんですけれども、自分の中では真っすぐの強さを武器にしていきたいと思っているので、そこを見ていただきたい」と力で勝負したいとキッパリ。
オリックス時代からの育成から、支配下登録したことに萩原本部長は「我々の中ではそれを期待しています」と最初から一軍の戦力として見ていると断言。それを受けて「本当にありがたく思いますし、その期待に応えたいなと思うのが率直な気持ちなので、優勝に貢献できるように全力で頑張りたいと思います」と凛々しく前を向いた中川颯。一度は沈んだ海の底から、地元横浜で潜水艦のごとく再浮上を狙う。
取材・文=萩原孝弘