カージナルス・ラーズ・ヌートバー

◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2023年:第3回・ラーズ・ヌートバー

 栗山英樹監督率いる侍ジャパンにサプライズで選出され、今春のワールドベースボールクラシック(WBC)に出場したラーズ・ヌートバー。大会では不動の1番打者としてチームを牽引し、3大会ぶりの優勝に大きく貢献した。

 2018年のドラフトでカージナルスにドラフト8巡目(全体243位)で指名されたヌートバー。メジャーデビューは3年後の21年だった。同年6月にメジャー初出場を果たすと、2度のマイナー落ちを経て、8月以降は準レギュラーとして58試合に出場した。

 飛躍を誓った昨季は、108試合に出場し、1年目の5本塁打から3倍近い14本塁打を放ったが、打率は.228とやや確実性を欠いた。

 そして迎えたメジャー3年目の今季は、レギュラー定着を狙ったが、たびたび故障に悩まされた。

 WBC優勝の勢いに乗って迎えた開幕戦でいきなり左手親指を挫傷し負傷者リスト(IL)入り。その後も腰の負傷、自打球を下腹部に当てるアクシデントで、シーズン計3度のIL入りを経験した。

 それでも1年間を通して打撃に波はあったものの、いい意味で安定感ある成績を残した。

◆ 実質チームトップクラスの活躍を披露

 3年目は結局、自己最多の117試合に出場し、打率.261、14本塁打、46打点、11盗塁。33年ぶりの地区最下位に沈んだチームにあって、ヌートバーが残したWARは3.2に上った。

 これは、100回以上打席に立ったカージナルスの打者15人の中では、3.7のポール・ゴールドシュミットに次いで2位。ゴールドシュミットは、ほぼフル出場した中での数字なので、負傷した時期を差し引けば、ヌートバーが実質チームトップクラスの活躍を見せたといっても過言ではないだろう。

 そんなヌートバーの成績をシーズン前後半で比較すると、打率は.259→.262と微増。一方で、本塁打数は5本→9本に増えており、更なるパワーアップを果たせば、来季は20本塁打超えも狙えそうだ。

 また、球種別ではフォーシームやシンカーといった直球系に対して打率.357をマーク。長打率も.581と剛速球にも振り負けることはなかった。その一方で、変化球には弱みを見せた。

 具体的には、スライダーに対して打率.116、スプリットには.105とサッパリ。他にも、チェンジアップにも.224と苦しんだ。ヌートバーの球種別の傾向はメジャー1年目からほぼ変わらないので、首脳陣から絶対的な信頼を勝ち取るためには、来季こそ変化球への対応が大事になる。

 WBCの活躍で一躍人気者となったヌートバーもまだ26歳。来季はぜひ20本×20盗塁を、数年後には、30本×30盗塁を狙えるような選手に成長してもらいたい。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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