阪神・青柳晃洋 (C)Kyodo News

◆ 雌伏の時を過ごしてきたエースが奪首の起爆剤に

 復活ののろしを上げる粘投だった。

 22日のスワローズ戦の先発マウンドに上がったタイガースの青柳晃洋にとって1軍での登板は83日ぶり。5月31日のマリーンズ戦を最後に2軍降格となって、再調整を続けてきた。今季は2年連続の開幕投手を務めるも、ここまでわずか1勝止まり。約2カ月半に渡りファームで登板を重ねてきた。

 レギュラーシーズンも残り30試合を切り、優勝争いも佳境に入る中でようやく巡ってきた逆襲の舞台。結果次第では今季もうチャンスが巡ってこないかもしれない大事な一戦だった。

「さすがに緊張しました」と試合後に苦笑いで振り返ったように立ち上がりは不安定だった。1安打と2四死球で二死満塁。いきなりやってきた分岐点でホセ・オスナを一飛に打ち取ってピンチを脱すると、2回以降は走者を背負いながらも2失点で粘って6回を投げ切った。

「結果的にはそうなった(試合を作った)んで良かったです。状態的にはあんまり良くなかったんで、本当に誠志郎(坂本)のおかげで何とか先発として頑張れた」

 投球の軸となるスライダーの制球が定まらず、決して楽なマウンドではなかった。ただ、同年代でこれまで幾度もバッテリーを組んで特徴を熟知する捕手・坂本誠志郎の高めを利用するなどの巧みなリードにも助けられ、クオリティースタートを記録した。

「スライダーがあんまり入らなかったのが今日の一番の反省。あれが入ってれば、もっと楽にピッチングできたかなと。(直球の球威は)良かったんじゃないかと思う」

 チームは接戦を落として敗れたため、右腕に笑顔はなくても背番号17が“いるべき場所”にようやく帰ってきた。

 チームは首位・広島を3位から追いかけていく立場。勢いをつけるには起爆剤の存在が求められる。それは先日、左肩と左手首の手術から復帰し1025日ぶりに白星を挙げた高橋遥人しかり、昨年から思うような活躍ができず雌伏の時を過ごしてきた青柳も同じだ。

 結果次第では2軍に逆戻りもあり得たが、岡田彰布監督も「なんとか抑えとった」と一定の評価を与えたように、今後も1軍に同行してローテーションに加わる可能性が高くなった。

「ボール自体は良かったですし、やっぱりスライダーが課題になっていく。精度を上げていけたら」

“遅れてきたエース”の逆襲は果たしてなるか。青柳のパフォーマンスが、タイガースのリーグ連覇のカギになる可能性は十分ある。

文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)

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