「みんなプロなので言うことはないんですけど、姿で引っ張ります」
ロッテの藤岡裕大は、今季からチームキャプテンに就任し、背中で引っ張っていくつもりだ。
石垣島春季キャンプでは「いつも意識して、いろんな声出すことはやっています」と、これまでと変わらず、守備練習中に友杉篤輝、宮崎竜成といった若手選手たちに積極的に声をかけていた。キャプテンとして過ごした石垣島春季キャンプは「そんなに今までと変わらなかったですけど、若い子中心なので、そこは今までと違うところだと思います」と振り返った。
チームキャプテンとはいえ、選手である以上、チームを引っ張りながらも個人としての“結果”が求められる。
昨シーズン終了後に、オフのテーマに「毎年そうですけど、スイングスピードを求めながら、体もしっかり作って。打つことを中心にやっていきたいと思います」と話していたが、「自主トレはフォームもそうですし、フォームを中心に打つことをやっていました」としっかりとバットを振り込んできた。
昨季は“長打”にこだわっていたが、今季もそこは「変わらずですね。OPSにこだわってやっていきたいと思います」と明かした。
また、昨季は8月28日の西武戦、2-3の8回二死三塁の第4打席、平良海馬に対し2球で追い込まれるもそこからファウル、ボール球を選び、3ボール2ストライクから7球目に暴投で同点に追いつき、10球目の141キロスライダーを見送り四球を選ぶなど、追い込まれてから粘って四球を選べば、8月30日のソフトバンク戦、3-0の4回二死一塁の第3打席、有原航平が1ストライクから投じた外角132キロチェンジアップを右中間破る適時二塁打を放つなど、追い込まれるまでは長打が目立った。考え方としては今季も同じで良いのだろうかーー。
「そうですね、四球も大事にしながら早いカウントから仕掛けられる準備をまずは大事にしたいなと思います」。
藤岡は無死二塁の場面で、引っ張って二塁ゴロ、一塁ゴロで走者を三塁に進めたりと、状況に応じた打撃ができるのも強みのひとつ。「そこはチームのサインが出ればきっちり対応できるようにやるだけです」。
チームバッティングをしながらも、今季目指す数字は「OPSが8を超えられるように。そこを目指してやっています」と掲げた。
セカンドは中村奨吾、小川龍成とライバルが多いが、「いい選手もいっぱいいますし、自分が全試合出られるように。怪我なくまずはやるだけかなと思います」と、ポジションを譲るつもりはない。
石垣島春季キャンプ最終日となった2月16日の取材で、開幕に向けて「個人としては良い状態で迎えたいですけど、143試合長いのでトータルを見てやっていきたい。チームとしてはオープン戦から勝てるチームにと思って、良い勢いで入っていければなと思います」と、怪我で離脱した時期もあったが3月14日の広島とのオープン戦から一軍復帰し、オープン戦最終戦となった23日の巨人戦では猛打賞を放った。チームもオープン戦8勝7敗2分、最後の1週間は3勝1敗1分と、良い形でシーズンを迎える。
勝率1位でのリーグ優勝を目指す今季、チームの中心に藤岡裕大がいる。
取材・文=岩下雄太