レンジャーズ、ルース・ボーチー監督

 メジャーリーグは各チームが10試合前後を消化した。最もハイレベルな争いを演じているのは、ナ・リーグ西地区だろう。ジャイアンツ(8勝1敗)、ドジャース(9勝2敗)、パドレス(8勝2敗)の3チームが勝率8割以上をマークしている。

 一方でア・リーグの西地区を見ると、8勝2敗で首位に立つレンジャーズを、6勝3敗のエンゼルスが追いかける展開だ。ナ・リーグ西地区と大きく違うのは、ドジャースらナ・リーグ西地区の3チームの得失点差が「+20」前後なのに対し、レンジャーズとエンゼルスはともに得失点差が「-1」という点だろう。

 どちらのチームも得失点差だけを見れば、勝率5割か負け越していてもおかしくない状況である。にもかかわらず、少なくない貯金をつくれているのは監督の存在が大きい。特にレンジャーズは、名将ブルース・ボーチー監督の手腕が冴えに冴えている。

 今季のレンジャーズはここまで33得点に対して34失点。チーム防御率がア・リーグトップの2.93をマークしている一方で、チーム打率は.192と貧打にあえいでいる。

 現地6日(日本時間7日)のレイズ戦のスタメンを見ても、名前を連ねた9人の打者のうち6人の打率が1割台(試合終了時点)。残る3人も.235と.333が2人だが、3割台の2人はどちらも下位の打順を担っていた。

 そんな苦しい状況下でも12本塁打のパワーと14盗塁の走力をミックスさせることで、何とか得点を創出している。

 そんな打線と対照的なのが鉄壁の投手陣である。特に先発陣はア・リーグトップの防御率2.68をマークするなど、しっかり試合をつくっている。

 また、レンジャーズが地区首位を快走している最大の要因が、接戦の試合をことごとくモノにしていることだろう。

 これまで10試合のうち1点差で決着した試合がメジャー最多タイの5回を数えるが、レンジャーズはそのすべてで勝利を収めている。

 得失点差「-1」が示す通り、チームの総合力は極めて平均的だ。しかし、それを指揮するのが現役最多の2179勝を挙げている名将なら、8勝2敗という成績も納得だろう。

 2年前、レンジャーズの指揮官に就任1年目でワールドシリーズ制覇をもたらしたボーチー監督。昨季は一転、負け越しの屈辱を味わったが、今季は再び上位浮上を企てている。今月16日に70歳の古希を迎えてもその手腕はなお健在。自身5個目のチャンピオンズリング獲得に向けて、今季も突き進むだけだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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