昨年のセ・リーグ覇者・巨人との今季初対戦は、延長12回互いに譲らず引き分けとなった。
DeNA先発のアンドレ・ジャクソンは初回、いきなり2死満塁のピンチを迎えるも好調の甲斐拓也を打ち取り無失点スタート。2回にも先頭の中山礼都にヒットを許すが、続く門脇誠の三振の際にスタートを切った中山を山本祐大が刺しピンチの芽を摘んだ。
ここからジャクソンは立ち直り3、4回を3人づつで片付け流れを引き寄せると、4回裏に筒香嘉智、宮﨑敏郎の連打でチャンスメイク。ここで打席に立った山本祐大が見事にレフト前に弾き返し2点を先制した。
ジャクソンは6回を1失点でまとめ、7回は山﨑康晃がピンチを凌ぎ無失点。その裏にはキャプテンの牧秀悟が2点差に突き放すタイムリーで試合を優位に進めた。8回にマウンドに上った伊勢大夢が簡単に2死を取るが、吉川尚輝の打ち取った当たりを牧秀悟が処理できずに出塁させると、ここから岡本和真と甲斐拓也にタイムリーを許し終盤で試合を振り出しに戻された。
9回には2死満塁で打席に筒香とスタジアムのボルテージは最高潮となるがあえなく凡退。その後は両軍のリリーフ陣が踏ん張り、3−3でゲームを終えた。
試合を終えた三浦監督は「引き分けは引き分けですからね」としつつも、先発のジャクソンに対し「良かったですよ。しっかりとゲームを作って、立ち上がりからしっかりと投げ込めていましたし、本当に粘り強く投げてくれました」と高評価。
結果同点に追いつかれてしまった伊勢大夢にも「ボールは良かったですよ。追いつかれてしまいましたけど、なんとか我慢して追い越されなかったところも良かったです」と責めることはなかった。
また今季初登板のローワン・ウィックにも「ボールの力もそうですけれども、ああいう形で回またぎしても球威が落ちることなく、チームが勝つためによくやってくれたと思います」とし、最終回を3人で片付けた宮城滝太にも「クリーンアップに回ってくるところでも、自分のやること、自分のできることに集中して、自分の持ってるものを使いながらよく投げてくれたと思います」と頷いた。
いい戦いをしながらも連敗を止められなかった事実はあるが「リリーフ陣がもう1点もやれない場面でしっかりとよく凌いでくれました。すべてをプラスに変えて、明日につなげていきます」と言葉に力を込めた指揮官。リーグ優勝へ倒さなければいけない難敵を、あすこそ倒しに行く。
写真・取材・文 / 萩原孝弘